プロ転向8年目、ようやく初優勝を手にした香妻琴乃。今季はレギュラーツアーにフル参戦はかなわず、出場したとしても結果を残せない日が続くこともあった。それでも、香妻のサインを求めて列をなすギャラリーの姿は絶えない。多くの人を引きつける香妻の魅力は、どこにあるのだろうか。
【写真】香妻琴乃、感動の勝利を写真でもう一度!
「ここまで振り返ってみると、昨年は本当につらい時期でした」。優勝の喜びと同時にこみ上げるのは、これまでの苦難。2016年にシードを手放し、昨年はサードQTで敗退してQTランクは104位。レギュラーツアーへは限られた出場となり、4年ぶりに下部のステップ・アップ・ツアーにも出場した。「これからどうすればいいだろう…」。ゴルフが嫌になり、やめることも頭をよぎった。
それでも踏ん張ることができたのは、ファンからの応援があったからだという。「コース内での応援ができない日本女子オープンの予選会や、ステップ・アップ・ツアーにまで来てくれて、最後まで応援してくれるファンが私にはいました。優勝した試合の最終日には『優勝おめでとう』の横断幕まであって、「一体、いつ作ったんだろう」って本当に驚きました。支えてくださる方たちには、感謝してもしきれないくらいです」。香妻の優勝を信じ続けたファンが、会場で熱狂したのはいうまでもない。
香妻の優勝を心から喜んだのは、ファンだけではなかった。大会終了後、ライバルである選手たちのSNSには香妻への祝福のメッセージがあふれていた。
「私がこの優勝で大事だなと感じたのは、“自分を信じて、自信を持つこと”」。不調が続いたここ2、3年は自信が持てず、悩まされていた腰痛への恐怖もあってネガティブになる日々もあった。それでもファンの前では笑顔を絶やさず、「目標は優勝しかありません」と言い続けてきた。
優勝カップを手にして、「自分一人ではなく、支えられて今の自分がある。だからこそ、結果で応えたかった」と語った香妻。しかし、その前向きな姿勢が、ファンを魅了するだけでなく同じ土俵で戦う選手たちを元気づけたに違いない。
「これからは1勝したからと満足せずに、2勝目、3勝目もできるようにがんばっていくので、これからも変わらず応援してください!」。再びツアーで多くのファンを魅了するに違いない。
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