<日本女子オープンゴルフ選手権 3日目◇29日◇千葉カントリークラブ野田コース(6,677ヤード・パー72)>
女子ゴルファーNO.1を決める「日本女子オープン」には、プロだけではなく、将来を嘱望)される21人のアマチュアが出場。そのうち、予選通過を果たしたのは8人だが、その中にただ一人の中学生ゴルファーがいる。それが岡山県出身の15歳、梶谷翼(山陽女子中学3年)だ。
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梶谷のアマチュアキャリアは輝かしいものだ。2014、15年には「全国小学生ゴルフ大会」を制覇。16年には「IMGA世界ジュニアゴルフ選手権 11-12歳の部女子」で大会3勝目を記録するなど、その優勝歴を挙げれば枚挙にいとまがない。
日本女子オープンには16年に最終予選を通過して初出場。13歳17日での出場は、金田久美子の13歳50日を更新する史上最年少記録だった。
天才ジュニアゴルファーの挑戦はトータル9オーバーで予選落ちに終わるが、2度目の出場となった今大会では、初日こそ「75」と出遅れるも、2日目に2バーディ・ノーボギーの「70」をマークし、トータル1オーバー・33位タイで予選通過。第3ラウンドとなるこの日も4バーディ・3ボギーの1アンダー「71」と、雨が降りしきる難コンディションで多くの選手が苦戦するなか、堂々たるプレーを見せた。
第一目標の決勝進出を果たしたことで、梶谷が持つ大きな夢の実現も近づいた。それが海外試合における日本代表「JGAナショナルチーム」入りだ。
日本ゴルフ協会(JGA)が主催する今大会は、日本アマチュアゴルフランキングの獲得ポイントが高い。そのため、現在ランキング10位につける梶谷が上位進出を果たせば、一気に上位へ駆け上がることも可能だ。そうなれば、ランキング上位(原則6人)から選出されるナショナルチームのメンバー入りが視野に入る。梶谷本人も「最近はかなり(チーム入りを)意識しています」と話し、キャディを務める父の教義氏も「初日は意識しすぎで力が入りすぎて、ショットも曲がりまくっていました」と語るほどだ。
16年大会は畑岡奈紗の史上初となるアマチュア優勝の衝撃に隠れてしまったが、6位タイと上位フィニッシュを果たした西村優菜(大商大高校3年)は、この活躍によりナショナルチーム入り。17年大会では3位タイでローアマを獲得した小倉彩愛(岡山操山高校3年)も、この結果によりチームの一員に選出されるなど、2年連続で日本代表のメンバーが誕生している。
現在、日本勢のアマチュア世界ランキング1位に君臨する西村は「中学生時代から入りたいと思っていたので、うれしかった。そのあと、海外遠征などの色々な経験ができました」と話す。大舞台での活躍をきっかけに飛躍。ナショナルチームを指導するガレス・ジョーンズ氏のもと、ゴルフ力を磨き、世界での経験を自身のプレーに生かしている。
“プラチナ世代”と呼ばれる西村、安田祐香(滝川第二高校3年)、吉田優利(麗澤高校3年)や、今年度20歳を迎える“黄金世代”の畑岡、勝みなみ、新垣比菜ら現・元ナショナルチームのメンバーが近年の女子ゴルフ界に巻き起こる“アマチュア旋風”の中心だ。先輩たちの後を継ぎ、自身の未来を切り開こうとしている“スーパー中学生”梶谷翼。最終日の結果次第では、その名の通り、大きな“翼”で羽ばたいていくかもしれない。(文・牧野名雄)
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