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稲森佑貴の強さを田中秀道が分析 要因は成長続けるブレない“太い幹”【ツアーの深層】

国内最強ゴルファー決定戦は、24歳の稲森佑貴のツアー初優勝に終わった。「日本オープン」3日目に単独首位に立つと、最終日もリードを守り切り、後続を寄せ付けない見事な勝利。大舞台で初の栄冠を勝ち取った。3季連続フェアウェイキープ率1位、今季も同部門で独走状態の稲森だが、NHKのラウンドリポーターとして稲森の優勝を間近で見た田中秀道に、曲がらないだけではない、その強さの神髄について聞いてみた。
【写真】アダム・スコットも遼も稲森も 大会を写真でプレーバック
■フェアウェイが広いとはいうものの真のマネジメントが試された
今回の日本オープンはこれまでの“純和風”大会と装いが異なった点で、特徴的な大会となった。2年ぶり4回目の出場を果たしたアダム・スコット(オーストラリア)は「欧米のコースに似ていて今までよりも優勝のチャンスがある」と話していた。結果は体調不良も重なり50位タイに終わったが、会場の横浜CCが世界基準のコースに仕上がっていたのは明白だ。
「フェアウェイが広い」とは多くの選手が口にした言葉。狭いフェアウェイに深いラフ。林にセパレートされ、視覚的にもプレッシャーがかかる例年のセッティングと違っていたが、その裏には、“広い”なりの難しさがあったと話すのは、1998年大会を制した田中だ。「広いとはいえ、グリーン上のことまでを考えれば、決して広いとはいえませんでした。ピンの位置を考えると、小さい面、ポイントに打っていかないといけないし、そうなるとセカンドをどこから狙うか考えないといけない。ということは、フェアウェイのどの地点にティショットを打たなければいけないかが非常に大事なんです」。
稲森といえば「日本一曲がらない男」として、持ち前のフェアウェイキープ率を武器に安定した成績を収めてきた。今大会でも最終日は同部門で100%を記録。4日間を通しても86.67%で堂々の1位。ところが、ただ“曲がらない”だけではない強さが稲森にはあった。「打つべきポイントが絞られている中で、多くの選手は球をコントロールして、操って打っていかないといけないのですが、それだと72ホールもたないんです」。プレッシャーが常に選手を苦しめ、曲がる、崩れるという事態に陥ってしまうのだが、「稲森選手は、280ヤードのドライバーも100ヤードのウェッジショットでも、フィニッシュが同じ。極端にいうと、パターまですべて同じ。振り切るということができるから、シンプルなんです」。
■オプションを加えるよりも基本を積み重ねる稲森
日本オープンという舞台に出てくる選手はシード選手、ツアートップの選手に加え、予選会を勝ち上がった選手ら、当然トップ集団の集まりだが、そんな選手たちと決定的に違う点を田中は指摘する。「多くの選手がなりやすいのが、テクニックに磨きをかけようとするんです。短所をクリアしようとして、オプションを作ろうとするんです。それはもちろん悪いことでありませんが、稲森選手はそうではなく、基本を太くしていくタイプ。とにかく振り抜く。インパクト前後のゾーンが長いというか、線で打っていけるのです。点で合わせようとはしません。バックスイングで多少違っていても、大事なゾーンが安定しているから曲がらないし、それがどの番手でも同じなんです」。実際、フェアウェイキープ率とともに、パーオン率も大会1位を獲得した。
「どのクラブで打っていても同じように見える。大会を通じてどのショットを切り取っても、まるで同じに見えるはずです。例えば、8番か9番で悩んだとします。そういうときでも、中途半端になったり、リキみが出たりせずに、最後まで振り抜いてフィニッシュは一定。とにかくバランスが取れているんです」と、オプションではなくベーシックな部分の精度を上げてきたのではないかと分析する。
初日こそ好スコアが出たが、2日目以降は風が強まり、ピンの位置を左右に振ったこともあってスコアは伸び悩んだが、そんな状況にも稲森は動じなかった。「風がこうなっているから、こう曲げていこうとか、稲森選手はそういうテクニックに走りません。ここに向いて振ればちゃんと飛ぶんだ、というのが明確に分かっているのです。だから、稲森選手が打っているときは風など感じさせません」。
■稲森のゴルフは“太い幹”でできている
基本に忠実な稲森のゴルフを称して“太い幹”と田中は話す。「稲森選手のゴルフはすさまじすぎるんです。次元が違います。球の高さも音も、回転数も同じ。ウェッジでも5番ウッドのショットでも、全部同じなんです。風にも負けませんし、フォローの風に乗りすぎることもない。横回転も少ないので、横風にも強い。」。幹はいわば基本の部分。そこに枝を張り巡らすのではなく、幹自体をどんどん太くすることによって、唯一ウィークポイントだったパッティングもよくなり、「一連のラインができあがってきたのです」と、強さはあくまでも基本磨きにあるという。
精度が高いとはよくいったものだが、稲森の精度はそう簡単に作られたものではないと田中はいう。「そのプロセスが大事なんです。スイングの軸がブレずに最後まで振り抜くことで安定感につながるのですが、多くの選手はフェードが打ちたい、ドローが打ちたいと、となる。そうではなくて、スイングの軸もそうですが、自分の軸もブレずに練習をやってきたのだろうと思います。スイングも自分の軸もブレなかったから、そこにパターも入ったことも重なり、そのタイミングが日本オープンだったのです」。
最後に締めくくった田中の言葉はこうだ。「プレー中のメンタル面などはそんなに多くないんです。ブレずにやり切るのはなかなかできないんです。ブレずに貫き通す。基本に忠実にやり通してきた技術に自信があるから、メンタルも強い。ただ“曲がらない”だけでは厳しいですけど、このまま基本を磨いてますます幹を太くしていけば、世界でもやれる可能性を感じます」。
●田中秀道(たなか・ひでみち)1971年3月29日、広島県出身。91年にプロテスト合格。95年にフィリップモリスでツアー初優勝。98年には大洗GCで日本オープンを制覇。02年から米ツアーにも参戦した。帰国後はツアーに出場するかたわら、近年はテレビ解説などでも活躍。日本ツアー通算10勝。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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