<マイナビABCチャンピオンシップ 初日◇25日◇ABCゴルフ倶楽部・兵庫県(7217ヤード・パー72)>
この日首位発進を決めたのは、マンデートーナメントを勝ち抜いた、現役大学生プロの小木曽喬(おぎそ・たかし)。21歳の若い力が、前半「31」をマークするなどロケットダッシュを見せた。
【写真】小木曽が自身初のトップに!熱戦の模様を写真でプレーバック
スタートの10番ホールで5m、続く11番で7mのパットを沈め流れに乗った小木曽。「出だしの連続バーディですごく楽になった」と、この後もバーディを積み重ねた。13番は7Iで放った残り147ヤードのセカンドショットが1mにつくOKバーディ。さらにその後の15、18番のパー5でもスコアを1つずつ伸ばし、5アンダーの貯金を持ってハーフターンを迎えた。その後1ストローク伸ばして迎えた最終9番でも、5Iで放った178ヤードのセカンドショットを50cmにつけバーディ締め。キレ味鋭いショットで、ギャラリーをわかせる存在となった。
この日のラウンドで、よかったと振り返ったのがティショット。これには、同じ高校出身の先輩・川村昌弘の助言が大きなヒントとなった。現在、福井工大附属福井中学、同高校を経て、現在福井工大のスポーツ健康学部4年生という肩書をもつ小木曽。4学年上ながら同じ高校出身の川村は、アマチュア時代から練習ラウンドをともにしてもらう存在だ。
現在も一緒に出場する時は練習ラウンドをともにするが、「調子がものすごく悪い」と感じていた先週の「ブリヂストンオープン」の時に、川村から「オープンに構えすぎだから、クローズに構えたら」と言われ実践。すぐに効果を発揮した。
「低い球を打ちやすい」という理由で、ずっとオープンスタンスだった小木曽だが、最近は左にボールが出てしまう悩みを抱えていた。川村の目にはこれが、“極端な”オープンスタンスに見えたようで改善が促された。すると悩みの種が解消。「最近ではパターもクローズで打っています」と、新たな構えに手ごたえを感じている。
今季は「関西オープン」で8位タイに入るなど、序盤から出場4戦連続予選通過を果たし賞金を積み重ねた。しかし、「ミズノオープン」からは逆に4戦連続で決勝ラウンドに進めないという苦しい時期に突入した。さらに決勝ラウンドに進んでも「週末が良くない…」と上位フィニッシュには至らず、ここまでの賞金ランクは約805万円の78位。現時点では賞金シード圏外となっている。
「ツアーでやっている以上はシードを獲らないと意味がない。ここからすごく大事になってくる」と小木曽は今後をにらむ。今季はQT27位の資格でツアー前半戦に出場も、10月の「フォールシャッフル(リランキング)」で上位に入れず、今後の出場試合は限られる立場だ。自身初のトップで初日のラウンドを終えた今大会で、一気に“崖っぷち”からの脱出を狙う。(文・間宮輝憲)
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