<マイナビABCチャンピオンシップ 3日目◇27日◇ABCゴルフ倶楽部・兵庫県(7217ヤード・パー72)>
トレードマークのオレンジ色のキャップが、この日は一段とコースに映えた。チェ・ホソン(韓国)が、7バーディ・1ボギーの「66」をマークし、トータル6アンダー・9位タイと大きく順位を上げた。
【写真】勢い余って後ろ向いちゃった!
「風が読みにくかったけど、その中でも思い通りのプレーができた。パッティングもよくて、スコアを伸ばすことができた」とご満悦の様子でホールアウトしてきたホソン。どこにいても、すぐにギャラリーの目に飛び込んでくる存在感はもちろん、この日はプレーでも会場を沸かせた。
2つ伸ばして迎えた後半の11番グリーンで、速い下りのラインを読み切りバーディ。しかし直後の12番パー3で、ティショットがピンから27mの位置に落ち、3パットも考えられるピンチに陥った。しかし、これをファーストパットで3mに寄せると、これをきっちりとパーセーブ。「これが力になった」と、その後も3つスコアを伸ばした。
“代名詞”となった、飛ばしたいとっきに見せる通称・フィッシャーマンズスイングは、この日も観衆の拍手を誘発。さらに最終18番ホールで、残り4mのバーディパットを外した際、クルリと一回転したホソン流(?)の悔しさ表現など、その一挙手一投足が観客の笑顔につながった。
そして、そのプレーを楽しんでいたのは同伴競技者も同じだ。この日は同郷のY・E・ヤンと同組でラウンド。2009年の「全米プロゴルフ選手権」を制し、アジア勢で初のメジャータイトルを獲得した母国の英雄も、ホソンのプレースタイルについて「見ていて楽しかった」と話した。3戦前の「トップ杯東海クラシック」3日目でも一緒にラウンドしたが、「ショットもパットも素晴らしかったし、また一緒に回りたいね」と笑顔を見せた。
そのアクションが世界で話題になっているが、それは母国でも同様。「動画が広がって、韓国でもファンが増えたし、日本でもたくさんの人たちが応援してくれて力になる。これからも最善を尽くしたい」と人気沸騰の現状を肌で感じる毎日だ。
「オウエンヨロシクオネガイシマス!ガンバリマス!」
そういって力強いガッツポーズを見せたあと、ペコリと頭を下げたホソン。コースを明るく彩った男は、満面の笑みをたたえたままコースを後にした。(文・間宮輝憲)
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