<樋口久子 三菱電機レディス 2日目◇27日◇武蔵丘ゴルフコース・埼玉県(6585ヤード・パー72)>
先週行われた「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」の第2ラウンドが終了した練習場。そこには決勝ラウンドに向けて調整する選手らに混じって、トータル1オーバー・66位タイで予選落ちした上田桃子の姿があった。
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普通、予選落ちした選手はすぐに荷物をまとめてクラブハウスを後にする。練習をする選手もいるが、それはまれだ。ましてや上田のそういった姿は珍しい。
マスターズゴルフ倶楽部の練習環境がいいことも理由だが、もう1つ上田なりの理由があった。「ディフェンディングチャンピオンとして出場したのに予選落ち。悔しさがありました。ただ、その悔しさを持ち帰りたくなかったんです」。納得のいかない部分、成績を出せなかったこと。それら全てを置き去って家へと帰りたい。それが残って練習した意図だった。
その行いが実を結ぶ。「練習場でしっくりくるものがあって。その次の日は家に戻って練習したのですが、そこでさらに良くなった」。いい流れができればもうこっちのもの。「月曜日に不動(裕理)さんと福田真未ちゃんとラウンドしたのですが、感触が良くなってきました」とさらに調子は上向きに。「不動さんは相変わらずめちゃくちゃうまかったです(笑)」と刺激ももらいながら状態を上げると、総仕上げとばかりにプロアマが行われた25日(木)もコースでみっちりと練習を行った。
結果、今週は2日目を終えてトータル4アンダーの16位タイと上位の見える位置につけている。それ以上に「ショットは気持ちよく打てていますし、パットも難しいラインを除けばいくつか入っています」という様子は頼もしい。
狙いは「1年でも楽しみな試合の1つ」と話す来週行われる「TOTOジャパンクラシック」。過去2勝を挙げている、日米のトップ選手が集うトーナメントだ。「TOTOに向けても調子は日に日に良くなっている。ショットでつけられているので、明日も入って欲しいパットが入ってくれば」。首位とは6打差。今の調子と上田の爆発力を考えれば、届かない数字では決してない。(文・秋田義和)
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