今季優勝した選手のスイングから強さの要因、そしてアマチュアが参考にすべき部分を探る“Playback LPGATour2018”第20回は「スタンレーレディス」、「樋口久子 三菱電機レディス」と今季2勝を挙げたささきしょうこ。『自律神経失調症』と『パニック症候群』と精神面からくる病を乗り越え複数回優勝できたスイングの肝はどこにあるのか。上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。
今季2勝のささきしょうこ 持ち味は“ブレない縦軌道”【スイング連続写真】
ささきの持ち味を「なんといっても曲がらなくて大きな球を打てること」と語る辻村氏。「飛距離は平均ほどですが、大きなハイボールが打てるのが強み。今季2勝を挙げた東名カントリークラブ、武蔵丘ゴルフコースはともに砲台グリーンが多い。高い球で攻めなければダメなコースですから。」。その2試合で優勝したのだから、いかに弾道が高いかが伝わってくる。
「彼女の球の高さを生み出しているのは“ボールと近い距離でアドレスができる”こと。これによりスイングが縦軌道になります。また、トップの高さもある程度ありますから、クラブが高い位置から縦で降りてくるため、打ち出し角が高く、スピンの効いたボールになります。つまり、最高到達点の高い球でグリーンを攻められる。硬い砲台グリーンの多いコースでは良さが際立ちます」(辻村氏)
縦軌道を支えているのがブレない軸。「とにかく傾かない。クラブは縦軌道で動いて体は軸で横に回るけど、軸が崩れることはありません。縦横の軸がしっかりしているからダウンスイングで左サイドが開かずに我慢できる。クラブの縦軌道に合わせて体が右に傾けば軸は傾き、逆に体の左サイドは開いてしまいますから」。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”
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