2018年も多くのドラマが生まれた国内男子ツアー。今となっては忘れている大会や1打を、選手のコメントとともにひと月ごとにプレーバック!今回は11月と12月を振り返ります。
【写真】賞金王がフィアンセとスマイル
賞金王争いに加え、シード権争いも激化してきたツアーも最終コーナーを回った。残り1カ月となった舞台は沖縄。「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」は優勝賞金4000万円。このビッグイベントは波乱のうちに終わる。
2日目を終えてトップは南アフリカのショーン・ノリス。前週まで故郷に戻っていたノリスは、父が病床、子どもも生まれたばかりとあって気合を込めたラウンドでツアー3勝目を目指すが、3日目は悪天候のため中止。最終日は片岡大育との一騎打ちとなったが、最終ホールで劇的イーグルを奪い、涙を流し喜んだ。
沖縄の熱い1戦を終え、ツアーは富士の麓へ。今年初の国内ツアー参戦となる松山英樹が大会を盛り上げるかと思われたが…。
「三井住友VISA太平洋マスターズ」は前週に続き、天気に翻弄され、2日目は荒天のためサスペンデッド。残りを3日目に消化したが、72ホール完走は難しいと判断され2種続けての54ホール短縮競技となった。
第2ラウンドを終えて単独首位に立ったのは秋吉翔太。今季3勝目を目指したが、最終日は最終ホールでまさかのOBを放つなど勝機を生かせなかった。代わって逆転劇を演じてツアー初優勝を手にしたのが額賀辰徳。首位と3打差からスタートした額賀は4つスコアを伸ばし見事逆転を果たした。
「このままゴルフをやっていても、優勝だったり、そういったステージに上がっていけないのかと葛藤のある時期だった。そういうモヤモヤが、優勝で全部なくなった感じです」と晴れやかな笑顔を見せ、13年目の栄冠を喜んだ。また、期待された松山は46位タイと振るわなかった。
舞台は再び南国へ。ブルックス・ケプカ(米国)が連覇中の「ダンロップフェニックストーナメント」が宮崎で開幕。前週のリベンジを果たすべく臨んだ松山英樹。石川遼との予選ラウンド同組に沸くはずだったが、ここで事件が起こった。
初日の14番パー4。同組の星野陸也と松山のティショットは左ラフへ。ここで2人はボールの確認をせずに互いのボールを打ってしまう誤球事件が発生。松山はその後も終始、調子を上げることなく44位タイに終わった。3連覇を狙ったケプカは12位タイ。ジャンボ尾崎以来の偉業はならなかった。
大会は3日目を終えて堀川未来夢が2打の差をつけて単独トップで最終日に入った。最終ホールまで優勝を争ったが、パーセーブに失敗。この日「63」をマークした市原弘大が大逆転劇を演じ、ツアー2勝目を飾った。
シード落ちからの奮起で花開いた市原。「これからも周りを見すぎずに自分のやるべきことをやっていきたいと思います。うわついて調子を崩すのはもったいないので、思った道を進んでいきます」と、堅実に前に進むことを誓った。
宮崎から高知へ。シード争い最終章の「カシオワールドオープン」ではこれまで幾多のドラマが生まれてきたが、今年も泣き笑いの展開が待っていた。シード常連組だった薗田峻輔、永野竜太郎や松村道央らがシードを手放すことになり、QT行きとなった。
そんなドラマの裏で躍動したのが、今季変則スイングで大ブレークしたチェ・ホソン(韓国)。スイングばかりに注目が集まったが、しっかりと実力を見せつけ、ツアー2勝目を飾った。
高知決戦から、ツアーは最終戦の東京よみうりへと移動。今季優勝者や賞金ランキング上位選手による決戦の幕が開けた。初日から首位を守ったのは今季日本ツアー復帰で優勝も果たしているY・E・ヤン(韓国)。3日目こそ並ばれるが、首位を守り通した。
迎えた最終日。ドラマが一気に動き出す。ヤンがスコアを落とすなか、選手会長が魅せた。スタートホールをダブルボギーとした石川遼だったが、そこから7バーディを奪う猛攻。首位タイでホールアウトすると、ハン・ジュンゴン(韓国)、小平智とならびプレーオフへ。1ホール目でパーセーブした小平が、同一年、日米両ツアーでの優勝を決めた。
賞金王は今平周吾。年間1勝ながら終始安定したプレーで他の追随を許さず、初の栄冠に輝いた。選手会長初年度の石川は賞金ランキング22位。2年ぶりの優勝こそ逃したが、昨年の大不振からの脱却を果たし、2足のわらじながら、ツアー盛り上げに貢献した年となった。
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