<オメガドバイデザートクラシック 最終日◇28日◇エミレーツGC(アラブ首長国連邦)>
ブライソン・デシャンボー(米国)による7打差の圧勝で幕を閉じた欧州ツアー「オメガドバイデザートクラシック」。その裏で、ディフェンディングチャンピオンが新ルールの“洗礼”を受けていた。
大会連覇をかけて今大会に臨んだリー・ハオトン(中国)は、初日から5アンダーの好スタートを切り、2日目、3日目も好調をキープし1打差の2位で最終日へ。デシャンボーの独走によって優勝の可能性はついえていたものの、ハオトンは上位争いのなかにいた。事件は最後の最後で起きた。
最終ホールの18番パー5で、ハオトンは約1mのバーディパットをしっかりと沈めてトータル16アンダーでフィニッシュ。しかし、パットのスタンスをとる直前までキャディがボールの後方上に立っていたとされて、2打のペナルティが科された。
2019年から施行されている新ルールでは、「プレーヤーのキャディはどのような理由であってもプレーの線の球の後方線上やその近くに故意に立ってはならない」とある。今までは当たり前のように見られていた、ショットの前にキャディをプレーの線上後方に立たせてスタンスの向きなどを確認させ、打つ直前にそこをどく、という行為は今年から明確に禁止。ハオトンの最終パットはこのルールに抵触してしまったというわけだ。
仮にハオトンが18番をバーディで上がっていた場合、3位タイで約15万5000ドル(約1700万円)を獲得していたが、2罰打によりトータル14アンダー・12位タイでフィニッシュ。獲得賞金額は約5万1653ドル(約565万円)と、わずかなミス1つで約10万ドル(約1100万円)の損失となってしまった。
欧州に限らず、米ツアーの選手達も新ルールへの適応に苦労している。今回のハオトンはいわば“モデルケース”として、プレーヤーがさらなる意識を高める事例となりそうだ。
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