<ヨコハマタイヤ PRGRレディス 事前情報◇14日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6228ヤード・パー72>
あす開幕する国内女子ツアーの「ヨコハマタイヤPRGRレディス」。歴代優勝者には多くの韓国テクニシャンが名を連ねるが、記憶に新しい名シーンが、2016年の最終日だ。イ・ボミ(韓国)が奇蹟のスーパーショットを放ったシーン。その年のメディア賞「ベストショット部門」を受賞したショットを今でも鮮明に記憶しているファンは多いだろう。
最新ドレス姿収録! イ・ボミの特選フォト【写真館】
首位を1打差で追う18番パー4。ティショットは右ラフへ。正面には木がそびえ、つま先上がりという絶体絶命の状況。残り134ヤードから、スライス回転をかけ、さらには左からの風にも助けられ、グリーン手前の傾斜に当たり、カップをかすめて30センチに止まる神ショットを見せた。
「あのショットは忘れられないもの。今日のプロアマ戦でも18番にきたときに言われました」と、大会前日のプロアマ戦後に名シーンを振り返ったボミ。「いま思い出してもスゴイショットですが、もうあっちには打ちたくないですね、今年はフェアウェイから普通に狙いたい(笑)」と笑顔を見せた。
プロアマ戦ではその18番でティショットを左サイドのバンカーに入れ、そこから3メートルにつけ、これを外してパー。バーディならずとも、やはりここの18番に戻ってくると華やかな記憶がよみがえり、表情も緩む。「あのショットは2度とできない」と本人も自賛する3年前のあのショット。勢いに乗ってその後のプレーオフでシーズン初優勝をつかんだが、今のボミにとっては、そんな輝かしい「優勝」という2文字は、意識の中には存在しない。
昨年は賞金ランキング83位に終わり、賞金シードを落とした。今シーズンは、16年の賞金女王の資格で出場できる3年シードの最終年。シード奪還に向けた大事な年となるが、「まずはトップ10を狙っていき、優勝を意識するのはそういう試合を増やしていってからですね」と、冷静にシーズン入りを迎えている。
「昨年のシーズン入りよりも今年は気持ちが楽ですね。シード最後の年ですが、ゴルフを考える姿勢がすごく良くて、真剣に向き合えています」と明るく話すボミ。「先週は3日目だけ良くなかったですが、ほかの3日間はいいスイングができていました。今週もそのスイングを続けていければ」と、復活に向けては手応えを感じている。
「今年も何かビックリするようなショットができればいいですね」。スマイル・キャンディに本当の笑顔が戻るのは、高知の海を望む土佐からになるかもしれない。(文・高桑均)
<ゴルフ情報ALBA.Net>