<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 2日目◇13日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(6425ヤード・パー72)>
「久しぶりにしんどかった。新記録を出して気が抜けたのかな…」。渋野日向子は5バーディを奪ったものの6バーディにダブルボギー1つ。「75」で前日に日本ツアー新記録を達成したオーバーパーなしの連続ラウンド数は「29」でストップした。
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朝降った雨のような大荒れのラウンドだった。インスタートの12番で左ラフからのアプローチがグリーンまで届かずボギーとすると、15番でバーディを奪った直後に16番でボギー。さらには17番で池に入れてダボとすると、18番パー5でもスコアを1つ落とし前半だけで4オーバーと大苦戦。
苦しい展開となるが、これまで何度もバックナインで逆境を跳ね返してきたスマイルシンデレラ。2番でボギーを叩いた後は、3番で3m、さらに4番では7mを沈めて連続バーディ。記録継続を確かに予感させた。
だが、この日は魔法が解けてしまった。連続バーディを奪った後の5番で1.5mのパーパットがカップに蹴られると、6番では3パットのボギー。7番、9番でバーディを奪ったが、アンダーパーには届かなかった。
「昨日のスタートからショットが悪かったけど、まさか予選落ちの危機を迎えるとは思わなかった」。最後は意地だった。「ボードを見ていて、(午後組もあるから)トータル2オーバーだとヤバいと思った」。後半の出入りの激しいときにはカットラインを行ったり来たり。3月の「アクサレディス」以来となる予選落ちも十分に考えられていた。
その“トータル2オーバー”で迎えた最終9番(380ヤード)。初日ボギーとしたホールのティショットは、「悪くはなかった」がまさかの電線に接触して打ち直し。気持ちが途切れてもおかしくなかったが、「2球目のほうが良かった」とさらに鋭いスイングで残り76ヤードまで運ぶと、2打目を3mにピタリ。意地のバーディを奪い、自力で週末への切符を奪取。ボールがカップに収まると喜びよりも安どの表情を浮かべた。
トータル1オーバーは42位タイ。首位とは9打差と大きく離されてしまったが、もう失うものはない。「初日のスコアを無駄にしてしまったので、残り2日アンダーで行きたい」。そう意気込むと、「鬼特訓しなきゃホンマにやばい」と言い残し、ショット、アプローチ、パッティングと計4時間以上の練習を敢行。逆襲に向けすべての膿を出し切ってコースを去った。(文・秋田義和)
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