<日本オープンゴルフ選手権 事前情報◇16日◇古賀ゴルフ・クラブ(福岡県)◇6768/6817ヤード・パー71>
2008年の「日本オープン」最終日、3メートルのウィニングパットを決めて大きく両手を振り上げた。35歳で通算25勝を達成し、永久シードを達成した片山晋呉。11年後、再び古賀で勝ちを狙いにきた。
アダム・スコットのクラブを激写【写真】
難関コースを相手に、練習ラウンドから上がってきた選手の表情にも疲れが浮かぶが、片山はどこか楽しげだ。08年の優勝スコアがトータル1アンダー。フェアウェイは狭く、外せば深いラフが待ち構え、アンジュレーションのきついグリーンは面積も小さく速い。フェアウェイを確実に捉えるためにドライバーを抜く選手がでる中、片山もドライバー抜きで優勝。しかし、今年はドライバーを入れることを決めていた。
「コースはほぼ変わってないけど、選手のレベルと飛距離が想像以上に変わっている」。ツアー全体のドライバーの平均飛距離が年々上がる中、同時にプレースタイルも変わってくる。「一番わかりやすいのが9番(パー4・344ヤード)。11年前は、100人いたら100人が刻んでいたけど、今は飛ぶ人はドライバーを持つようになった。飛ぶ人がはまると、スコアが出る気がする」。一例に挙げたのが、右ドッグレッグのそのホールだ。
セカンド地点はフェアウェイ幅が狭く、右から林がせり出しているため刻選手が多かった。当時は優勝争いを演じた石川遼が果敢にドライバーを振るスタイルで単独2位につけたが、ここでもドライバーを振って花道に。今年も石川はドライバーを握るつもりだ。
片山が今年の古賀攻略のために手に取ったのがドライバー。操作性を高めるため、46インチ台から44.75インチにシャフトを短く調整。「20年ぶりに短いよ。普通の人からしたら短くないけど、オレの中ではすごい短い。飛距離は若干落ちるけど、全然曲がらなくてびっくりした」と、前週の「ブリヂストンオープン」2日目から装着し準備を進めてきた。
「中嶋さんの言葉で、“45歳からの勝利は格別だよ”って言われたことがあった。ここでできたら、シニアまでのあと3年、まだまだやれるなという確信がある。そうしたら、50歳になったときにシニアで世界一になりたいと思っていることが現実になると思う」。プロとして駆け出しの頃、誰も想像していなかった領域を進んでいる。(文・谷口愛純)
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