<大王製紙エリエールレディスオープン 3日目◇23日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6580ヤード・パー72>
「イーグル、OB、池もあって……大変な一日でした」
豪華2本立て! 日向子とみなみの2ショット【写真】
笑いながら、こう3日目を振り返ったのが、昨年覇者の勝みなみだ。1イーグル・8バーディ・1ボギー・1ダブルボギーのラウンドでスコアを7つ伸ばし、トータル14アンダー、首位と1打差の2位タイまで順位を上げた。
3日連続の同組となる渋野日向子と、今大会でツアーの第一線から退く一ノ瀬優希とともに回った勝のムービングデーは、“話題性の大きな2人”にも負けない存在感で組を引っ張った。
1番でいきなり7mを沈めてバーディ発進を決めると、さらに1つ伸ばして迎えた4番では、「ボールを止めるには、決めるしかない」というほど強烈な下り3mのフックラインをねじ込んで、ここもバーディとした。さらに5番では、残り210ヤードのセカンドを4番UTでピン奥1mにつけ、“楽々”イーグル。その後も2つのバーディ(1ボギー)を奪い、前半を「30」で折り返した。
これだけでも十分に派手なラウンドだが、まだ終わらない。11番ではティショットを左に曲げOBからのダブルボギー。しかし、13番からは3連続バーディでそのミスを帳消しにした。そして17番パー5は、バンカーからのセカンドショットが池にはまってしまったが、「ボギーでいいや」という気持ちで放った8mのパーパットを決める、とどめの“劇的パー”。『TODAY -7』というスコアをリーダーボードに刻んだものの、疲労感もいっぱいのラウンドとなった。
11番でのOBや、17番の池ポチャなどがあってもすぐに気持ちを切り替えられたのは、こんな“おまじない”があったから。それが「これもゴルフだね」という言葉。「こういう時もあるよね、って。OBを打っても、池に入っても“これもゴルフ”。だからゴルフは面白いんですよね。(OBも)とにかくダボでおさまってくれ、と思えたし、全然気にせずにプレーできました」。このポジティブな思考が、プレーの流れを止めない要因となった。
連覇を狙える位置で迎える最終日の目標も、「とにかく一日ケガなく回ること(笑)。頑張るけど、そこそこで……。パターが入ったら、自然に“きょうやれるじゃん”ってなるので」というもの。肩に余分な力は入っていないようだ。時に劇的なラウンドで魅せる“シブコ劇場”もビックリの“みなみ劇場”。その舞台を演じた後でも、気負うことなく優勝争いを「楽しんで」いくつもりだ。(文・間宮輝憲)
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