2007年のプロテストをトップ合格し、これまでにツアー通算5勝を挙げている服部真夕。しかし12年頃からアプローチイップスに悩まされるようになった。持ち前のショット力で17年までシード権を維持していたが、18年についにシード権を逃すことに。そのタイミングで、長年クラブのサポートを受けていたミズノとの契約をやめてフリーとなった。そして今季開幕戦となった「アース・モンダミンカップ」では、左打ちのアプローチでマンデー予選と本戦の予選を突破して話題に。そんな服部真夕のクラブセッティングを見てみよう。
寄せワンが獲れるようになった! 服部の左打ちアプローチ【連続写真】
イップスの対策として、近年はパターやユーティリティでアプローチをしていた服部が、どうして左打ちになったのか、本人に聞いてみた。「今までにいろいろと試行錯誤をしましたが、なかなか上手くいきませんでした。今年のオフに左打ちも試してみようと思い、練習を始めたんです」と服部はいう。
近所のゴルフショップに足を運んで左用のウェッジを購入した。「打ってみないとわからないから2本買いました。今使っているのは、構えやすかったキャロウェイのウェッジです」。あれだけ悩まされたイップスの症状も、左打ちでは出なかった。「今はグリーン周りから50ヤードまで左で打っていますが、60ヤードくらいまでは挑戦してみたいですね」と自信と手応えを感じている。
ちなみにバンカーショットはどっちで打つのかと尋ねると、「バンカーは右です。右で問題ないので変わることはありません」ということだ。
ドライバーはピンの『G400 LS TEC』を使う。契約フリーとなってドライバーに求めたのは「飛距離と安定性」だった。年々、ツアーのドライバーの平均飛距離が伸びている中、誰もが飛距離を欲しがるのは当然のこと。フリーとなっていろいろなクラブをテストしたのかと思いきや、「テストしたのはキャロウェイとピンだけです。キャロウェイも良かったのですが、ピンのG400 LS TECがヘッドの形状も含めてとても良かった」とあっさりエースドライバーは決まった。
■アイアンは打ちやすさと打感の良さで『ミズノプロ』を選択
昨年はピンのアイアンを使っていたが、今は『ミズノプロ719』を使っている。「もともと使っていたのですが、一度戻してみたらとても打ちやすくて、そのまま使うことにしました。719はやはり打感がとても良いです」と服部はいう。元々パーオン率が高く、ショット力に定評がある服部だけに、安定したドライバーショットでフェアウェイをキープできれば、バーディチャンスを量産することができるだろう。
左打ちのアプローチという選択で、イップス克服の糸口を掴んだ服部。練習を始めて数か月で、ツアーで戦えることを証明した。距離感や精度は、これから益々磨きがかかっていくに違いない。それに加えて、持ち前の高いショット力が戻ってくれば、優勝争いに絡んでくる可能性は十分にある。QTランキング157位と今シーズンの出場機会は限られるが、服部の活躍はアプローチイップスに悩めるすべてのゴルファーたちの希望になりそうだ。
【服部真夕のクラブセッティングと番手別飛距離】
1W:G400 LS TEC 9度 Tour AD VR-5(S) 250y
3W:G400 15度 Tour AD VR-5(S) 230y
5W:G400 17.5度 Tour AD VR-5(S) 210y
3U:GX 19度 ATTAS PUNCH 7(S) 195y
4U:GX 21度 ATTAS PUNCH 7(S) 185y
5U:GX 25度 ATTAS PUNCH 7(S) 175y
6I:Mizuno Pro 719 N.S.PRO 850GH(R) 165y
7I:Mizuno Pro 719 N.S.PRO 850GH(R) 155y
8I:Mizuno Pro 719 N.S.PRO 850GH(R) 145y
9I:Mizuno Pro 719 N.S.PRO 850GH(R) 135y
PW:Mizuno Pro 719 N.S.PRO 850GH(R) 125y
51度:Jucie tT N.S.PRO 850GH(R) 105y
58度:Jucie tT N.S.PRO 850GH(R) 90y
56度(左用):MACK DADDY 4 N.S.PRO 850GH(R) 1〜50y
PT:O-WORKS #1
※15本となっているが、コースの状況によって3Wか3Uを抜く
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