<ゴルフ5レディス 最終日◇6日◇GOLF5カントリー みずなみコース(岐阜県)◇6571ヤード・パー72>
先週の「ニトリレディス」は地元・北海道開催に加え、所属先の大会だったが惜しくも2位。小祝さくらは、そのうっぷんを晴らすかのようなゴルフを続け岐阜で圧勝した。2位につけた差は6打。大会記録を塗り替えるトータル17アンダーで優勝と、一人舞台を演じきった。
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最終18番ホール。優勝を決めるウイニングパットを流し込んでも、普段とさほどリアクションは変わらない。「ギャラリーの方もいないし、特にやらなくてもいいかな」とガッツポーズなどが飛び出すこともなく、キャップのつばを触り、キャディとヒジタッチするのみ。実に小祝らしく2勝目のシーンを迎えた。
トータル11アンダーの単独トップから出て優勝がかかった最終日も、「スコアを気にすることはあまりなかったです。目標だった5アンダーだけを目指しました」と、ノンプレッシャーで持ち前の安定感が揺らぐことはない。
3、4番で幸先よく連続バーディを奪うと、8番のパー3では17mのロングパットをねじ込んだ。「もし決まっていなかったら、かなりオーバーしてシビアな距離のパーパットが残っていたかもしれません。ラッキーでした」というビッグプレーもあり、前半を終えた時点ですでに後続に4打差をつけていた。
後半は10〜14番までパーを並べるガマンの時間も過ごした。その間には猛追する古江彩佳に一時は2打差まで迫られたが、15番パー3で今度は7mのバーディパットをねじ込んだ。すると“お手上げ”と言わんばかりに古江は17番でボギー。さらに小祝は16、17番でもスコアを伸ばし、独走状態をさらに大きくしてゴールテープを切った。それでも優勝を確信したのは「最終ホールのセカンドショットをカラーに乗せた時」。油断はせず、一打一打最良のショットを打ち続けた。
昨年7月の「サマンサタバサ・レディース」でツアー初優勝を挙げてから1年以上が経過。この間の期間については「長かった」とも話す。さらに先週の「ニトリレディス」では、3学年下のルーキー・笹生優花と“一騎打ち”ともいえる優勝争いに2打差で敗れ、地元&ホステス優勝を阻まれていた。
そんな悔しさを抱えたなか立った今週のコースは、2年前に申ジエ(韓国)にプレーオフで敗れた因縁の地。だがそこで、ニトリでの経験が生きた。「先週も最終組で回ったのもあってか、その位置でプレーしている感じではなく、そこはよかったです。(先週の小樽は)難しかったので、一打一打ほどよいプレッシャーがあった。でも今週はそれもなくできました」。激戦で優勝を逃しても気持ちを切らさなかったことが、今週の勝利につながった。
優勝直後の気持ちを問われても、「アップダウンがあったので足が疲れました。(きょうの)目標は5アンダーだったので、そのなかで6アンダーを出せたことがよかったです」とプレー内容を言及するあたり、やはり小祝らしい。“黄金世代”で2勝以上を挙げたのはこれで4人目だが、それを聞かれた時も「自分も頑張らないとと思って練習しています。毎年シードを獲ることも簡単ではありません。気持ちを切らすことができないですね」という謙虚な言葉が返ってくる。
次の目標は「一つひとつ積み重ねて3勝目を目指したい」。コツコツ歩みを進めていく考えも変わらない。そして、その先に見据えるのが「一番獲りたいタイトル。そこを目指して頑張りたいです」という賞金女王の称号だ。ちなみに3勝目を挙げた時も「(ガッツポーズは)やってみたい気持ちはあるけど、やらない可能性のほうが高いですね」とのこと。そのままのスタイルで、さらに優勝を積み重ねていく。
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