現地時間10日(木)に開幕する今季メジャー第2戦「ANAインスピレーション」。日本勢からはエースの畑岡奈紗を筆頭に、昨年の「全英AIG女子オープン」に続くメジャー2勝目を狙う渋野日向子ら日本勢5人が出場する。
優勝者が18番グリーン脇の池“ポピーズ・ボンド”へダイブするのが今大会の伝統となっているが、今年、その栄誉を授かるのは果たして誰か。大一番の幕開けを前に、米国女子ツアー通算41勝、メジャー7勝を誇るレジェンド、カリー・ウェブ(オーストラリア)に大会を放送するWOWOWがインタビューを実施。今大会の見どころをたっぷりと語った。
■今大会の魅力は?
「ANAインスピレーションは1972年から続く大会で、歴史や伝統があります。最初の年から現在に至るまで、優勝者は同じトロフィーを掲げています。そして、ここ25年は優勝者が18番グリーン脇のポピーズ・ポンドに飛び込むことが伝統となっています。人々の記憶に残り、すぐに大会の歴史に引き込まれてしまうようなところが、私たちにとっても特別なものにしてくれています」
■ANAインスピレーションにまつわる思い出は?
「やはり2006年に優勝した時だと思います。72ホール目のパー5、残り116ヤードのサードショットをウェッジで打ったのですが、その球がホールに吸い込まれました。少なくともバーディにする必
要があったのですが、イーグルショットがカップに入った時は、私が人生で経験したどんなことよりも興奮した瞬間です。2015年にはブリタニー・リンシコムがイーグルを決めて勝っていますし、ワクワクするホールになっていると思います」
■開催時期が4月から9月に変更 コースコンディションの変化は?
「今年はバミューダが強くなると思うのですが、この芝は長くは生えてこないので、ラフは例年ほど深くない。そのため、長距離打者が優位になるのではないでしょうか。また、フロリダに住んでいる選手たちはグリーン周りのチッピング含め、バミューダ芝が得意です。ブリタニー・リンシコムもそうですし、レクシー・トンプソンもそうですね。グリーンも、この時期の猛暑だと少し粗くなり、たっぷり水やりをする必要があるので、通常よりも柔らかくなることが予想されます」
■キーとなるホールは?
「日曜午後のバックナインで13〜16番ホールは大事になります。13番ホールはストレートなパー4 ですが、とても長いパー4でもあります。ラフに入るとグリーンに乗せるのに苦労するので、フェアウェイにとどめておきたいですね。14番ホールはトリッキーな短めのパー3で、通常はウェッジやアイアンですが、風が強くグリーンも硬いと、ピンに寄せるのが難しい。風が特に強い日だと、池も気になるので、パーをとることがタフになります。15、16番ホールは、私にとっても風変わりなコースで、フェアウェイを外すと、パーオンが困難です」
■畑岡選手はメジャーに対して強い思いを持っていますが、どのように見ている?
「彼女はメジャーということに対して、プレッシャーを受けているように見えます。あとほんの少し良いショットを打てばメジャーで勝てるので、あまりプレッシャーを感じる必要はありません。ちょうど良いタイミングで自分を信じていれば、ちょうど良い時に運が舞い降りてくる。ゴルフコースをあるがままに集中してプレーし、耐え忍ぶ事が本当に大事で、そうすれば日曜日にチャンスを得られるかもしれません」
■海外メジャー2勝目に挑む渋野選手ですが、彼女のプレーについては?
「渋野選手は立派なプレーヤーですが、正直に言ってこの時期のANAインスピレーションは誰が優勝できるのか全く予想がつきません。彼女はこの大会のルーキーなので、余計な記憶や前知識はありませんし、ありのままのコースを学習しながらプレーしていくと思います。それが彼女のアドバンテージになる。もし、彼女がその週に正しいマインドセットを持てれば、日曜日に勝利を飾る事は十分可能性としてあり得ます」
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