<日本オープンゴルフ選手権 3日目◇17日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇7317ヤード・パー70>
公式戦タイトルをかけた戦いで、単独トップで決勝進出を決めた河本力(日体大3年)。2サムで行われる3日目の決勝ラウンドは、ツアー通算14勝の谷原秀人と同組だった。
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しかし、大型アマはそんなプレッシャーも楽しんでいた。「緊張しているからこそいいプレーができるし、緊張しないとスーパープレーは出ないと思っています」と、最終組の重圧を力に変えて大健闘。「71」と後退したが、トップと1打差の2位タイにつけた。
持ち味は300ヤード超えの飛距離を誇るパワーに加え、アグレッシブさ。理由がわからないドライバーショットの不調に戸惑いながらも、攻めの姿勢は崩さなかった。最初のバーディを奪った7番パー5では、フェアウェイバンカーからのセカンドで握ったのは3番ウッド。右に大きく曲がったが、林の木に当たって真下のラフに落ちた。そこからアプローチで2mに寄せてバーディを奪い、「無謀な攻めはしないようにしているけど、いける時にいっておかないと後悔するので…成功したのでよかったです」と笑顔。
雨と寒さに見舞われた3日目はアンダーパーが4人のみ。スタート当初の目標は2アンダーだったが、9番で8mのバーディパットをねじ込んだことをきっかけに、攻めの姿勢が加速する。
トータル7アンダー・単独トップで迎えた13番パー4では、ティショットが左に曲がって深いラフへ。「池に入ったと思ったら、木に当たって真下に落ちてセーフ。それが助かってよかったと思って、狙おうと思ってしまったのが悪かったですね…」と2打目はグリーンまで届かず再び右のラフへ。3打目のアプローチも「パーが欲しいからギリギリを狙って」乗らず。4オン2パットのダブルボギーで、バーディとした谷原に逆転を許した。「ボギーでいいやと後悔しています」と苦笑したが、そのあとも表情から笑顔は消えなかった。
谷原と1打差で迎えた最終18番パー5。ドライバーのティショットが再び右に曲がり、隣のホールのフェアウェイへ。このピンチを林の間の狭いスペースを抜くショットに成功してパーセーブ。「狙ったのはもう1個左(のスペース)だったけど、右を通っちゃいました」と笑顔。河本のプレーに谷原は、「若いし、球がすごい飛ぶし、やっと日本にもこれぐらい飛ぶ選手が出てきた」と称賛を贈った。
「明日は3アンダー目指して、クリアできたときに優勝できなかったら仕方ないし、できたら幸せだしという感じです」とカラリを笑う期待の若手。海外ツアーでその名をとどろかせる日も、そう遠くない。(文・谷口愛純)
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