<三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日◇15日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
プロトーナメントで初めての最終日最終組は、計り知れないプレッシャーだった。首位と1打差・3位タイで迎えた最終日。9時55分にスタート予定だったが、8時過ぎにはパッティンググリーンで練習を始めていた。
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「ホテルにいるときが本当に緊張していて、朝の4時30分くらいからずっと起きていました」と、早めに会場入り。嫌でも意識してしまう優勝争いに緊張感は高まるばかりだったが、コースに着いてしまえば徐々に平常心を取り戻していった。
「最初からら難しい状況になると想定していました」と、緊張のなかで放った1番ティショットは右のバンカーにつかまった。これを3.5メートルに寄せてパー発進。キャディを務める石川航と軽く笑顔を交わし、「うまくリラックスできたと思います」。航は石川遼の弟で日本体育大学の1つ上の先輩。同じ埼玉県出身ということもあって、「よくうちに泊まって一緒に練習をしたりしました」という仲だ。中学時代から親交のある心強い味方に助けられた。
前半を終えて首位とは1打差。後半11、12番と連続でスコアを落としたが、13番からの連続バーディでバウンスバック。15番を終えた時点でトップに並んだが、16番パー4で2打目がバンカーに捕まりボギーと後退。最終ホールで1つ取り返したが、トータル6アンダーでトップには2打届かなかった。
「たくさんの方の期待に応えられませんでしたし、悔しい気持ちはもちろんあります」。それでも、鬼門としていた3日目に「64」のビッグスコアをマークして、優勝争いに絡めたことは成長だった。
次週の「ダンロップフェニックス」にも、推薦枠で出場が決まっている。「予選通過を目標にするのではなく、勝ちたいなと思うようになりました」と、この日に味わった緊張感と悔しさは、史上5人目のアマチュア優勝への糧になるに違いない。(文・谷口愛純)
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