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上田桃子の前で見せた覚悟 小祝さくらに宿る言葉の力【辻にぃ見聞】

国内女子ツアーの2021年初戦「ダイキンオーキッドレディス」は小祝さくらの逆転優勝で幕を閉じた。1年3カ月ぶりにギャラリーが入り、熱狂の渦に包まれた沖縄決戦をなぜ道産子は勝つことができたのか。その小祝を指導する辻村明志コーチが分析する。
■オフに磨いたウェッジの距離感と偶然も重なったコーライ芝制覇
西郷真央が初日に「64」を叩き出して、首位を守り続ける展開となった今大会。小祝さくらが単独首位に立ったのは72ホール目、つまり最終ホールだった。その18番は492ヤードのパー5。ここで首位に並ぶ小祝と森田遥はともにレイアップを選択。同じような残り60ヤード前後の地点から3打目勝負に。約3メートルにつけながらも決められなかった森田に対し、小祝は約1メートルにつけてバーディ。プレーオフとなることなく勝負を決めた。
同じパー5の11番ホールでも似たような60ヤードの距離につけてバーディを奪っていた小祝。辻村氏は「全体的に昨年よりもレベルアップしていますが、100ヤード以内の精度はこのオフの成果の1つです。小祝さんはショットでゲームをつくるタイプの選手ですが、そこだけが良くなってもダメ。パッティングとアプローチにも力を入れました」と明かした。
「このオフは千葉にいても合宿で宮崎にいても、毎日、60から80ヤードまで10ヤード刻みに目印を置いて、芝、マット、土で満遍なく距離感をつかむべく徹底して練習しました。しかも練習球ではなく、本番のボールでやりました。さらに宮崎合宿の最終クールではチームの上田桃子さん、永井花奈さんとともにラウンド中に毎ホール100ヤード以内の勝負をさせて、コースでの見た目での距離感、勝負勘を養いました。ウェッジを4本にしたりしていますが、そういったギアや打ち方だけでなく、“体に距離を染みこませる”ことを徹底的にやりました。小畑貴宏キャディも合宿に来てくださり、その姿を見ていました。その成果が出たのだと思います」(辻村)
今回の舞台となった琉球ゴルフ倶楽部は1年で3回しかないコーライ芝のグリーン。北海道出身の小祝にとってプロとなってから初めて体験するもので、「プロになりたての頃は特に苦手としていましたね」と辻村氏も振り返る。普段あまり感情を見せない小祝も「コーライで勝てて自信になりました」と語るほど。そこからどのようにして、4日目の平均パットは10番目となる「28.00」まで押し上げたのか。
「最初の沖縄から成長しているのはもちろんですが、実は普段練習しているホームコースのグリーンが偶然にも1月、2月とコーライ芝だったんです。そこで経験できたことも今回生きたのではないでしょうか。同じところで練習していた上田さんも、ダイキンに出始めてから初めて4日間3パットがなかったといっていました。そういった部分も後押ししたと思います」
■姉弟子・上田桃子の前で見せた小祝さくらの覚悟
なかでも辻村氏が成長した点に挙げたのがメンタル面だ。それを感じたエピソードがあるという。
2月の宮崎合宿最終日にチームの一人ずつが一言話していくときのことだ。大トリの上田の前に話すことになった小祝は、「今年は賞金女王を目標にします」と明言したのだ。当然女王になれるのは1人。大先輩の前で宣戦布告をしたかたちだ。
「小祝さんは普段はほんわかしていますが、実は頑固で自分を貫き通すタイプです。今までの小祝さんならありきたりなことを言って、トリの上田さんが大きな目標を掲げて“さくらちゃんも目指しなよ”と言われていたと思います。でも、今年は自ら言った。すごく強さと成長を感じました。言葉の力はとても大事。目標を掲げるというのはある種“ホラを吹く”というところがありますが、小祝さんは言葉に対する責任感が強いから覚悟を決めて練習する。そうして“ほら、みたことか”と言わせられるタイプです。だからこそ、最初にホラを吹けたことはとても大きな変化でした」(辻村)
無論、上田の前に宣言したからと言っても、悪化するような関係ではない。むしろいいライバルとしていい関係性を保っていることは、上田が優勝した小祝を18番終了後にひじタッチで「おめでとう」と祝福したことからも明らかだ。
一方で姉弟子として大切なものも語り継いでいる。小祝は毎日かかさず辻村氏に連絡を取り様々なことを報告しているが、これは上田からの指導によるものだという。「いわゆる報連相(ほう・れん・そう)ですよね。逆に上田さんも小祝さんがいることで刺激になっている部分も多い。すごくいい関係だと思います」。
良きライバルであり、姉妹のようでもあり、仲間でもある。素晴らしい関係を築けていることも強さの1つだ。
■森田遥はショット力向上 この調子なら勝てる!
もう一人、辻村氏がダイキンで注目したのが、小祝に敗れた森田遥。「もともと100ヤード以内の精度は素晴らしい選手。ショットが良くなれば、というタイプでしたが、今年はショットの際に体が開かなくなり格段に精度が上がりました。足の動きなんかは全然違いますね。ルーズに開いていた左足が、スムーズなフットワークに変わりました。最後のパットもミスパットではなかったですし、3打目もお見事。今年の活躍がとても楽しみです」。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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