<関西オープンゴルフ選手権競技 3日目◇24日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>
YouTuberとしても活躍しているツアー2勝の横田真一が、18年以来およそ2年半振りに予選通過をはたした。久しぶりの決勝ラウンド以上に、横田を歓喜させたのは、3日目に今をときめく金谷拓実と同組になったこと。朝の練習場では金谷と2ショット写真を撮る横田の姿があった。
金谷とのラウンドを「超たのしみにしてきた。メチャメチャうれしかった。予選を通った甲斐がありました。だって金谷君と回れるなんて多分一生ないと思うから」と、電話取材でも興奮が冷めない横田。実際一緒に回ってみての感想を聞いてみた。
「正直アプローチを見て『えっ!』驚きました。2番ホールの手前からアプローチは薄く当たってショートして、4メートルくらいが入れてのパーなんですけど、アプローチが上手い人には、ああいうタイプはいない。逆に興味が湧きましたね。アプローチの上手さを感じなかったということは、逆に何が上手いんだろうって」
横田とともに回った金谷の第3ラウンドは、3バーディ・1ボギーの「69」。金谷自身は2週連続優勝が遠のき「相変わらずきょうも良くなかった」と語っている。といいながらも16番で3パットのボギーを打つまでボギーなし。アプローチが寄らなくても強気のパットでしのぎ続けた。
では横田が感じた金谷の強さはどこにあるのか? 「ものすごい練習をしている人特有の思い切りの良さがある。『どういうふうに体を動かそう』ではなくて、『こういう球を打とう』としか考えてない。脳と体のセンサーがすごくシンプルなんだろうな。長嶋茂雄さんと一緒でスッときたらパンッ。だから打つのが早いし、決めるのも早い。それにはやっぱりかなりの練習量に裏付けされた自信がないといけない。自信満々だから別に考える必要がない」と横田は分析する。
世界のトップ選手でアプローチ下手はほぼいない。金谷の将来を横田はどう見たのか?「アプローチは打ち方が雑に見えたんだけど、言い方を変えれば、あんまり細かいところまで考えないっていうか、良い意味でシンプル。悪い意味でいうとバリエーションが少ない。松山英樹も最初の頃はアプローチがあんまりだった。そう考えると、これからメチャクチャ上手くなる可能性がある」と予測する。
金谷が16番で3パットしたときにも、横田は金谷の強さを見たという。「木を見上げてすごく悔しそうで、熱い魂を持っているなと思った。熱男!だね。熱い男じゃないと絶対に上位に行けない世界だと思うから、ゴルフ界の熱男だね。しかも性格が男らしくて潔い」とプレーだけでなく人間性まで惚れ込んだ様子だ。
そんな金谷の姿に、横田はジャンボ尾崎や片山晋呉を重ねる。「僕みたいな器用でいろいろやる人間は選手寿命が短い。だけど、ジャンボさん見たいな超一流の“鈍感力”は必要。金谷君はそれを持っている気がする。シンゴなんかも不器用で天才系ではないから選手寿命が長いよね」。
最後に横田は「金谷拓実という“株”が売っていたらけっこうな額を買うね。アプローチに磨きがかかったら、きっと恐ろしいことになると思う」と金谷に大きな期待を寄せた。
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