<ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 初日◇20日◇取手国際ゴルフ倶楽部(茨城県)◇東コース(6804ヤード・パー70)、西コース(6531ヤード・パー70)>
日本初のプロアマ形式の試合「ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント」が開幕した。この大会は、プロとアマが同じ組で回り、プロは72ホールのストロークプレー。アマチュア部門は初日と2日目は各日フォアボールのダブルス戦、3日目と最終日は2日間のスコアを競うスクラッチ戦が行われる。19日時点でのアマチュアの出場予定選手は237人というプロトーナメントとなる。大会主催の株式会社ゴルフパートナー執行役員で、大会実行委員長も務める川崎康史氏に大会についてインタビューを行った。
通常の開幕前に行われるプロアマ大会というと、トーナメント主催者が取引先などを招いて、プロ1名とアマチュア3名が一緒に回るスポンサーイベント。一般ゴルファーがプロと回ることはかなわない。しかし、川崎氏は「女性もシニアにも誰でも参加できる門戸は開かれています」と話す。
今回参加しているアマチュアは全国約20会場行われた予選を突破している。ダブルス戦は2人の良いほうのスコアを採用するフォアボールで行われるため、2人のうち1人は「ハンデ10以上の人もいるのでは」と川崎氏。つまり、平均80台で回るアマチュアにもツアープロと一緒に回るチャンスはあるのだ。
しかも、オープン競技と違って予選会に1度落ちても、また別の会場でエントリーすることが可能。宮本慎也さんと広瀬裕さんの元プロ野球選手ペアは予選会に2度落ちて、3度目の挑戦で、本戦の出場権を掴み取った。「社長の石田の知り合いだったので、『何とか出場させてください』と頼んできたみたいですが、勝ち上がっていただくしかございませんと断ったらしいです」と川崎氏。出場に関しては忖度なし。しかも、その石田純哉社長自身も2度目の予選会で出場権を得たというから面白い。
年齢、性別、レベルを問わず、一緒にプレーすることができるのがゴルフの魅力でもある。「たとえばプロ野球の試合にアマチュアが一緒にプレーするのは無理。真剣勝負はできない。ゴルフはティの位置を変えることによって、同じフィールドで隣にいてプレーすることができる素晴らしいスポーツです。にも関わらず、ごく一部のアマチュアしかプロと回ったことがない。私自身も何回もプロと回らせていただいていますが、やっぱりプロの球には毎回驚きます。TVで見るのと一緒に回るのは全然違うというのが私の見解です」(川崎氏)。その理念により今までにない“プロアマ”が実現した。
プロは一番遠いチャンピオンティから回るが、アマチュアは総距離で約400ヤード短いレギュラーティ(東コース)、55歳以上にはそれより前のシニアティ、女性にはさらに前のレディースティが設けられていて、シニアと女性は後ろのティを選択することもできる。一般女性ゴルファーと男子プロが一緒に回るトーナメントは、世界でも唯一かもしれない。
一般男性ゴルファーのドライバー飛距離は200〜250ヤードくらいだが、プロによっては軽く300ヤードを超えてくる。「本当に100ヤード置いていかれるんですよね(笑)。でも使っているクラブは同じメーカーの同じクラブだったりする。今回ダブルス戦に関しては、プロがアマにアドバイスすることはOKなので、ゴルフが上手くなる良い機会でもあるし、長くゴルフを続けるモチベーションにもなると思っています」と川崎氏は語る。
今大会の出場を目指して予選会に参加したゴルファーは延べ1500人。来年の予選会のエントリーはまだ始まっていないが、今年の7月下旬から11月にかけて20会場以上で行う予定となっている。「次は最低でも3000人の参加者がほしいと考えています」と川崎氏の鼻息は荒い。
また、「すごくコンパクトにできている大会ですし、ノウハウを提供してもいいので、同じフォーマットでやってみたいという企業が出てきてほしい」と、国内男子ツアーの試合数を増やすきっかけになればという考えもある。新しい風はもう吹き始めている。
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