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パッティングが光った吉田優利の2勝目 感性を引き出したレール練習【辻にぃ見聞】

国内女子ツアー「ゴルフ5レディス」は吉田優利のツアー通算2勝目で幕を閉じた。雨あり、雷あり、霧ありの難コンディションのなか、なぜ初優勝から約1カ月で2度目の勝利を挙げることができたのか。その吉田を教えるプロコーチの辻村明志氏が深層を語る。
■天性のものだけではブレる
2日目に勝みなみ、最終日には鶴岡果恋が「64」を出すなど、バーディ合戦の展開となった今大会。試合中も雨が降り続いた影響もあってグリーンは軟らかく、ほとんどランが出ない状態で、グリーンスピードも雨が上がった最終日こそやや速くなったが全体的には遅めというコンディションだった。
展開どおり最多バーディ賞に輝いた吉田が、岡山絵里とのプレーオフを制して優勝。「今週はショットの調子があまりよくなかった。パッティングで勝ち取った優勝です」というように、3日間の平均パット数27.00で1位。グリーン上での強さがそのままスコアとなったかたちだ。
シーズンを通してパーオンホールの平均パット数2位に(1.7643)つける吉田のパッティングについて、辻村氏は「もともと感覚の鋭い選手」と評する。「ライン読みもうまく、打つときの集中力もすごい。タッチを合わせるのもうまくてリズム感もいい」。一方で、「今年まで、もっと言えば最近まではストロークが安定しておらず、フィニッシュがオンラインでヘッドがピタッと決まっていませんでした」と課題があったこともまた事実だった
そのフィニッシュが見違えるようによくなったのが2〜3カ月前。辻村氏は吉田が愚直に続けてきたある練習の成果だという。それが1メートルほどの細いレールの上にボールを通して真っすぐ打ち出すというものだ。
「レールを渡したのはまだ優利がアマチュアのころだったと思います。ホームセンターに買いに行って“いまよくなるか分からないけど、続けたら何かを教えてくれると思う”と渡しました。先ほど言ったように感覚の鋭い選手ですが、それでもレールの上を通っていく確率は悪かった。特に多かった原因はヘッドがカット軌道に入ってきてしまうこと。ただ、レールの練習をやることで原因も見えてくる。それが、欠かさずやっていることでようやく打ち出しがよくなり、まっすぐレールの上を通るようになってきました。今でも(小祝)さくらと優利は日課で続けています」
“基準”ができたことで大きく変わった。「やはり最後に勝つのは“規則正しい練習をする”選手です。感性があるからこそ、基準を確立していなければブレるし、ひどいときには邪魔になる。感性を出せる準備ができたといっていいでしょう」。天性のセンスと反復練習が合致したゆえの勝利だった。
■天性のセンスはバンカーショットも
感覚の鋭さはグリーン上だけにとどまらない。グリーンを外してもしっかりとパーを拾えるセンスが光る。1ラウンド当たりの平均パット数は4位(28.7306)。この数字はパッティングのうまさだけでは成しえない。グリーンの読み、落としどころの読み、アプローチのタッチ…。それらがかみ合って、グリーンを外しても“寄せワン”でしのいでいる証拠だ。
サンドセーブ率が8位と、バンカーショットにもうまさがあると辻村氏。「ここに落とすと決めたときの集中力もすごいですが、クラブの入れ方にも天性のものを感じます。ヘッドの重さを感じて力感なくクラブのヘッドをトンと落とせるからバンスをボールの手前に入れるのがうまい。力で打たないからこそヘッドのブレが少ないんです。正直、“そこから寄せられるんだ”というバンカーショットを何度も見せてくれますね」。今大会でも終盤の15番ホールでバンカーからチップインバーディ。勝負どころでの強さが光った。
■攻めの姿勢を崩さない
パッティングがうまく、寄せワン、バンカーショットなどの小技がうまいとなると守りのゴルフをイメージするが、吉田はアグレッシブなゴルフを展開する。「基本的には攻め一辺倒です。パッティングもプライベートでもカップを過ぎるパットがほとんど。ショートはほとんどありません」。攻めの姿勢でバーディを奪いに行き、ダメだったとしてもグリーン周りのうまさでしのぐ。
失敗してもスタイルを変えないのが吉田のいいところだ。「優利はミスをしても後悔しないで次へ切り替えられる」。前週の「ニトリレディス」で14試合ぶりの予選落ちを喫しても、今大会の最終18番でボギーを叩いても、その18番で行われたプレーオフで勝ちきった。一喜一憂なく、ブレずに戦える強さがある。
なぜ、切り替えられるのか。「優利は自分の状況を把握することがうまい。悪いところのテーマと同じくらい、いいところも見つけられる。だから、ゴルフがネガティブにならないんです」。悪い面ばかりにフォーカスすることがないから、落ち込み過ぎることもないという。加えて「ミスしたとき、悪い部分が出たときにいろいろな角度からカバーリングができる。そうやって粘っているうちに自分に流れがくる。だからゲームが崩れないんです」と多角的に自分を見られるからこその修正力だ。
それでも辻村氏は「このオフはパーオン率を上げるという明確な目標もある。まだまだ伸びしろはあります」という。逆にいえば、さらに化ける可能性があるということ。単にショットがうまい、パッティングがうまいだけではない。勝負勘や状況把握といった目に見えない、数値には現れづらい部分での強さがあるからこその2勝目だった。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、小祝さくら、吉田優利、阿部未悠などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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