<日本女子オープン 初日◇30日◇烏山城カントリークラブ(栃木県)◇6550ヤード・パー71>
難ホールが多くチャンスホールが限られている烏山城カントリークラブ。“獲れるところ”でしっかりバーディを奪うことが求められる戦いとなるが、渋野日向子はすべてのパー5でバーディを奪取。首位と2打差の3アンダー・4位タイと好発進につなげた。
その立役者がドライバーとスプーンの2本だ。「きょうは最初から最後まで気持ちよく振れた。最近では一番飛んでいる」と、ホールによってはツアー屈指の飛ばし屋・原英莉花をアウトドライブ。3ホール中2ホールで2オンに成功させたスプーンと空中戦でスコアを伸ばした。
圧巻は14番ホールの2打目だ。ピンまで残り248ヤードのフェアウェイからスプーンを振り抜いた打球はグリーンをキャッチ、ピンの右6メートルにつける会心のショットだった。惜しくもイーグルはならなかったが、2パットで楽々バーディ。3連続目となるバーディで一時は首位に立った。
「平均で250ヤード、一番飛んだところで270ヤードくらい」と飛距離には満足。気持ちよく振れている理由として、「自分の向いた方向に、前より左に振り抜けるようになったこと」を挙げる。「それによって前より大袈裟に左を向かなくてよくなったぶん、思い切って振っていけるようになりました。右へのふにゃふにゃボールとか、チーピンとかミスが少なくなったので、振り切れるようになった」。マン振りといえばかつての渋野の代名詞。飛距離も方向性も上がってきた。
ドライバーに呼応するようにスプーンも仕上がってきた。「今までにない。あんなに当たったことない(笑)。つかまったボールが打てていました。左にチーピンが出る原因が自分で分かって、スイングを意識してやっているぶん、マン振りできるようになった」。それを実感したのがきょうのライ。「微妙に左足下がりのショットばかりだったけど、しっかりつかまっていいボールが打てた」。フラットなライではないなかでも、バランスよく振り抜けたのは大きな収穫だ。
とはいっても、まだ課題はある。それが連続ボギーとなって「すごく悔しい」と評した上がり2ホール。「17番では右の川を嫌がり過ぎて自分でも分かるくらい左を向きすぎていました。18番では左の池を警戒、17番のこともあって右を狙い過ぎた。両方とも許容範囲のミスでしたが、まだまだですね」。ホールアウト後にはレンジに直行、すぐにアライメントを確認して傷口が広がることを防いだ。
課題も出たが収穫の多かった一日。何よりも“マン振り”を取り戻したことは大きい。「良かった点も悪かった点もあるので、修正して頑張りたい」。このスイングにさらに磨きをかけていきながら、首位のうかがえる位置で最終日を迎えたい。(文・秋田義和)
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