<樋口久子 三菱電機レディス 初日◇29日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6650ヤード・パー72>
国内女子ツアーで1勝を挙げ、昨年から今年の6月まで米国女子ツアーに参戦していた河本結が久々に好スコアをマークした。大会初日は5バーディ・2ボギーの「68」で首位と1打差の3位タイ発進。久しぶりに手ごたえのあるラウンドに笑顔がはじけた。
日本ツアー復帰後はここまでトップ10なし。8月には体調も崩し、ゴルフの内容も低迷した。「自分の持ち味だったショットが悪くなって、どこに飛ぶか分からなくなって不安になっていました」と、不調の時期を振り返る。
「自分の打ちたい球を打てなくなって、キャディさんに聞いたりして、自分の感覚でできなくなっていた」というショットの不振。「フェードヒッターなのに、ドローのアドレスでフェードを打とうとしていた」と気づくことができたのは、最近帰国したコーチから指摘されてのことだった。
河本といえば、今年から松山英樹のコーチに就任した目澤秀憲氏の教えを長く受けているが、目澤氏が渡米することも多く、なかなか自身のゴルフを見てもらうことができていなかった。ところが最近では2試合ほどキャディをしてもらったことで、チェックポイントが見つかった。
「もっとわたしを見て! って思いました(笑)」と、コーチと二人三脚で過ごした2週間で開眼。この日は持ち味の大胆なショットも健在で、打ち下ろしのパー3では、風にぶつけるショットでバーディチャンスにつけるなど、順調に回復している。
現在の賞金ランキングは68位で、優勝者、ランキング上位者しか出場ができない最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」への参戦も危ぶまれる。リコーといえば河本の所属先。「最終戦に出るには勝つしかないと思うので、勝ちには毎週こだわっています」と強気な発言も戻り、一発逆転を目指す。
シーズンも残りわずか。シード権争いも気になるところだが、「ショットが自分の狙ったところに飛ぶようになった。風が強かったけど、逆に球をイメージして打てたので、それがよかった」と、コメントも前向きになっているのはプラス材料。
目澤コーチが見る松山は先週の「ZOZOチャンピオンシップ」で圧勝。“目澤門下生”の連勝を狙う河本に、今週は注目だ。
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