2度のマスターズチャンピオンに輝いたバッバ・ワトソン(米国)が先週、「アップ&ダウン」を発表、昨年より自身が悩まされてきた「心の病」を公表していたが、NYタイムスのドン・イエーガー氏との共著でその経験を赤裸々に語った。
42歳、マスターズ2勝を含む米国男子ツアー通算12勝のワトソンは02年にプロ転向、06年から米国男子ツアーメンバーになり10年にトラベラーズ選手権でツアー初勝利。身長190センチ、体重95キロのバッバは、涙もろくて感情的な選手、12年にマスターズを制するとあっという間にスターとなった。しかし結果的にはそれがバッバの心の重圧となる。
14年に2度目のグリーンジャケットを手にすると、バッバはメディアの注目の的となった。「どの試合でもインタビューを受けて、テレビカメラも常に僕についていた。気が付いたら体重が73キロ…風呂場で叫び声をあげた」と告白する。
体重減少の原因は医者にも解明できなかった。
「ゴルフが僕の生命を奪っていった」とバッタ。そうして「問題を解決するためには、この状態をみなに知らせるしかない」と決断、公表しだすと心が軽くなったという。
その立ち直りにはジョージア大で知り合ったアンジー夫人、そしてマスターズ1勝目を挙げる直前に迎えた養子のケレブくん、2人目となった女の子、ダコタちゃんの存在、そして長い間バッグを担ぐキャディとの関係を語っている。
「もう一度ゴルフと人生を楽しむことを選択した」というバッバはようやく体重も90キロに戻った。
今季はまだ初戦を迎えていないが、20−21シーズンは22試合に出場してトップ10が5回、フェデックスポイントは81位と安定を取り戻した。(文・武川玲子=米国在住)
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