<ダイキンオーキッドレディス 2日目◇4日◇琉球GC(沖縄県)◇6590ヤード・パー72>
事件はいきなりやってきた。渡邉彩香はスタートホールの10番でスコアカードを受け取り、ポケットに手を入れたときに気がついた。
「アレ?コースメモがない!」
スタート時刻はもう目の前。焦りが出てきた状況でも、このオフから取り組んでいる「完璧を求めずいいところを探す」メンタルコントロールが功を奏した。「仕方がない」。そう割り切れた。前半は「キャディさんが持っているので見ながら」と1つのメモを2人で使い合うかたちで乗り切った。もちろん、自身で書き込んだメモは見られなかったが、2つのバーディを奪ってボギーなし。冷静さが好プレーを生んだ。
後半に入る前に回収し、残りの9ホールは自身のコースメモでプレー。「風が強くなってなかなかチャンスを作れなかった」という状況もパープレーでまとめてホールアウト。首位と1打差の2位で決勝ラウンドへ向かう。
もっともよかった点はコースメモがなくとも落ち着いてできたこと。「メモを忘れたことははじめて…、かは分からないけど最近はない(笑)。でも、バタバタせずにやることには集中できました。今までは少しでも自分の思うようにいかない部分とか守れていないと結構イヤだったタイプ。そういう面では成長したなと思います」。トラブルがあろうともあわてない。その心持ちがいい方向に働いている。
オフの仕上がりがいいときほど気合が空回りしてしまっていた今大会で、リラックスできている。「この二日間みたいな気持ちでゴルフができれば残り2日も楽しみ。何も変えることはないですが、自分でもワクワクしながらできたらいいかな」。2シーズン連続となる開幕戦優勝へ、ミスも許せるようになったニュー・アヤカがこのまま突っ走る。(文・秋田義和)
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