<東建ホームメイトカップ 3日目◇2日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>
国内男子ツアー通算5勝の星野陸也が3日連続で「68」を並べて、首位と3打差の2位と好位置につけた。世界で戦うことを見据えて、52度と59度の間に人生で初めて入れた56度ウェッジの良さも実感している。
この日の14番パー4は、三段グリーンの一番奥にピンが切られ、2〜3メートル四方のスペースしかない。2段目に落として転がし上げるか、2段目でもいいと割り切る選手が多いなか、星野はピンまで残り108ヤードからピンをデッドに狙い、右1.2メートルに乗せた。結果はパーだったが、56度を使った2打目には満足の表情を浮かべる。
「今までだったら52度でのコントロールショットで狙っていたので、たぶんグリーン奥に消えていたでしょうね。56度のウェッジを使っていい位置に乗せられたのはうれしい。テレビカメラも来たので気合いを入れたら、バーディパットは外れてしまいましたが(笑)」
52度のウェッジは125ヤードまで飛ばせるが、110ヤード前後をコントロールすると球が低くなることでスピン量も減ってしまい、狭いスペースにピンポイントで止めるのが難しくなる。対して56度は110ヤード前後もフルショットで打てる。すると、高さが出せるので止められる。世界のトップ選手を見習って入れた56度のウェッジに満足する。
「パー5の2打目やティショットを曲げたときも、今までは(59度のフルショットの)100ヤードとかに限られていましたが、56度を入れたことで110〜120ヤードでもいいと、刻むクラブも増えて楽になりました」。今大会では56度の出番はそこまで多くないが、開幕前の試合などでは56度のウェッジを使ってバーディチャンスにつなげたり、パーセーブに成功するなど、攻守に渡って活躍しているという。
最終日は首位の香妻陣一朗を追いかける。「前半で並ぶぐらいに自分が伸ばさないと。(そのためには)自分が落としちゃうといけない。前半難しいホールがあるので、しっかりマネジメントしながら優勝します」。56度を入れたことでマネジメントにも余裕が生まれた。海外メジャー参戦に向けて複数回優勝を目標に掲げたが、開幕戦から絶好のチャンスだ。(文・小高拓)
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