国内女子ツアーを戦う女子プロたちの使うクラブは気になるところ。ティーチングプロ兼クラブフィッターのQPこと関雅史が、開幕戦で使用したセッティングを解説する。昨季の最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で悲願のツアー初優勝を遂げた三ヶ島かな。曲がらないショットが武器の三ヶ島のキャディバッグを覗いた。
フェアウェイキープ率75パーセント前後と“曲がらない女子プロ”として有名な三ヶ島かな。「まるでマシンのようにスイングの再現性が高く、常に安定したドローボールを打っているのがすごいですよね。道具をうまく合わせてしまえば長く使えるタイプの選手です」と、いろいろな球筋を打たないことからスイングの精度も高くなるとQPは分析する。
三ヶ島はプロデビュー以来、ブリヂストンと契約しているがドライバーとフェアウェイウッドは『JGR』を長年使用している。「ドローボールを打つ選手はブリヂストンのクラブは合いやすいですよね。ブリヂストンのクラブは、よくも悪くもスピンが入りやすいモデルが多い。ちょっと下からあおってスピンを得らして打てる選手の方が、クラブのパフォーマンスを発揮できます。特に球が上がりやすく、つかまりのいいJGRは、包み込む動きに合いやすい。三ヶ島さんはブリヂストンの申し子みたいな選手ですね」とクラブとスイングもマッチしているともいう。
5番ウッドの下はユーティリティ(以下、UT)が3本。三ヶ島自身は「得意クラブですし、生命線です。長いパー3やパー5で刻むときに使う」と話しているが、4番UT(22度)はメーカー違いで2本入っている。テーラーメイド『SIM2 MAX』は3番UT扱いで、ピン『G410』は4番UT。同じ4UTでも10ヤードの飛距離差を出せるという。
これについてQPは「ロフトとシャフトの長さは微妙に違うと考えられますが、G410は重心がかなり深くてスピン量が増えるモデル。同じロフトでもSIM2 MAXと飛距離の差は出せると思います。飛距離重視、コントロール重視という使い分けができていると思います」。UTの同じロフトでもメーカーによっては特性が違うので飛距離の差もでやすい。例えば22度、26度で同じモデルのUTならロフト通りの飛距離差を出せるが、別のモデルを入れているとその2本の飛距離差が思ったより出なかったり、思った以上に出ることもあるので注意が必要だ。
ドライバーからアイアンまですべて藤倉コンポジットのカーボンシャフトを採用する。「ユーティリティのダイヤモンドスピーダーは渋いですね」。プロでも使用者が少ない『ダイヤモンドスピーダー』はトルクが少なく超高速でしなり戻るのが特徴。「フジクラのジュエルラインといって工房でも扱うところが少ないモデル。高弾性の素材を惜しみなく使用しています。動き方でいうと中しなり。ドライバーのNXと合いますし、アイアンのMCIにつなげているのは、いい流れに感じます」。ドライバーからアイアンまでシャフトの動きが似ている方が、同じ感覚で振ればタイミングは合いやすいこともショット力向上につながるという。
【三ヶ島かなのクラブセッティング】
1W:ブリヂストン JGR(10.5度/スピーダー NX 50 SR、45.5インチ)
3W:ブリヂストン JGR(15度/スピーダーNX 50 SR)
5W:ブリヂストン JGR(18度)/スピーダーNX 50 SR)
4U(3U):テーラーメイド SIM2 MAX(22度/ダイヤモンドスピーダーHB 7S)
4U:ピンG410(22度/ダイヤモンドスピーダーHB 7S)
5U:ピンG410(26度/ダイヤモンドスピーダーHB 7S)
6I〜PW:ブリヂストン ツアーB 201CB(MCI70R メタルコンポジット)
50、57度:ブリヂストン ツアーB BRM(50度、57度)
PT:オデッセイ ホワイト・ライズ #1SH
BALL:ブリヂストン ツアーB X
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