<中日クラウンズ 3日目◇30日◇名古屋ゴルフ倶楽部和合コース(愛知県)◇6557ヤード・パー70>
オールパーだった第2ラウンドとは打って変わり、ド派手な内容となった。首位と8打差の48位タイで2戦ぶりに決勝ラウンドに進んだ石川遼は、7番パー3のイーグルに5バーディ・1ボギーで、この日のベストスコアタイとなる「64」をマーク。首位と5打差の11位タイに順位を上げた。
日没が迫った午後5時30分過ぎ、7番パー3で歓声が上がった。実測182ヤードの距離を8番アイアンで打った石川のボールは、ピンの5ヤードほど手前に落ちて、1バウンドして転がりカップに吸い込まれた。「想定より3〜4メートル奥にキャリーしたのですが、『奥に行かないで』と思っていたら入りました。普通にうれしかったです」と白い歯を見せた。
「バーディを獲りに行くホールではない」という7番パー3で“ボーナス”ようなイーグルが飛び出たが、この日の石川は安定感が光った。カラーに止まったホールを含めて、パーオンを逃したのは18ホール中4回だけ。ボギーを1つ叩いたが、風向きなどを考慮してティショットで“安定感のある”ドライバーを多用し、前半からチャンスメークを続けていた。
この日の初バーディは15番パー5。グリーン手前のラフから25ヤードの距離を50センチにピタリ。後半に入り、1番パー4は、ティショットでドライバーを握り、林の上をショートカット。グリーン左のガードバンカーに運び、こちらも1.5メートルに寄せてバーディと波に乗った。ホールイワンをした後も「今までのホールインワンより落ち着いていました。少し硬くなっていましたけど」と冷静に上がりの8番パー、9番バーディで締めくくった。
今週からアイアンシャフトのフレックスをXからSに変更して飛ぶようになった。前日は縦距離を合わせるのに苦労したが、「徐々に合ってきましたね」とこちらも好感触。首位と5打差に「自分の中でワクワク感と緊張感が高まる位置。それは本当にすごく楽しみ。その中でどういうゴルフができるのか。淡々と目の前に訪れる一日に対してやっていくって感じですね」。新スイングを構築する中で、状況が変わったときに変化が起こるのか、起こらないのか。石川自身が楽しみにしている面でもある。
石川のホールインワンは国内ツアーでは2011年「三井住友VISA太平洋マスターズ」の第3ラウンド、17番パー3で達成して以来11年ぶり3度目。米国男子ツアーでも2度経験があり、トーナメントでは自身5度目となる。「試合の練習ラウンドで1回、プライベートでは1回しかないんです」。いい緊張感がある方がホールインワンは生まれるようだ。(文・小高拓)
【石川遼の過去のホールインワン】
国内男子ツアー
・2010年「アジアパシフィックオープン」第2R 6番パー3(187ヤード、8I)
・2011年「三井住友VISA太平洋マスターズ」第3R 17番パー3(228ヤード、4I)
米国男子ツアー
・2013年「プエルトリコオープン」第3R 8番パー3(185ヤード、6I)
・2015年「クイッケンローンズナショナル」第1R 4番パー3(178ヤード、8I)
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