<リシャール・ミル ヨネックスレディス 事前情報◇2日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6475ヤード・パー72>
優勝した回数に関係なく、初優勝の感動はいつまでも心に残るものなのだろう。今から5年前の17年、青木瀬令奈は「ヨネックスレディス」でツアー初優勝を飾った。
勝利の瞬間はもちろん、初日が雷雨による荒天のために中止になったことや、コース内で3時間ほど待っていたことなど、今でも鮮明に覚えている。以来、この大会に出場するたびに、今年もシード選手として帰ってくることができたとありがたみを感じてきた。青木にとっては、まさにツアープロとしての原点を思い出させてくれる大会でもあるのだ。
さらに、今年は4年前の6月1日から契約を結ぶリシャールミルジャパン株式会社が特別協賛することになった。初優勝した大会をホステスプロとして迎えるわけだ。当然、青木のテンションも上がり、今年のオフからこの試合とディフェンディングチャンピオンとして迎える来週開催の「宮里藍サントリーレディス」に照準を合わせてきた。
自らを“夏女”と呼ぶように、過去の成績を見ると、圧倒的に夏に開催された試合で結果を残している青木。逆にいえば、3、4月はあまり結果を残しておらず、「私の開幕は5月から」と自虐的に語るほどだ。過去2勝が6月に開催された大会というのも、得意な夏に向かって、上り調子になったところで迎える大会だからと分析する。
今年も3試合ある予選落ちはすべて3、4月に開催された試合で、5月に入った途端、これまでなかったトップ5が3度もあった。ある意味、順調に今週と来週の試合に向かってピークを持ってきたともいえる。唯一気になるのは、先週左手首痛で試合を棄権したことだが、無理をせず休養したことで、コンディション的にはいい状態になってきたとのこと。
ちなみに、青木流ヨネックスCCの攻略法は、グリーンの大きさにとらわれ過ぎないことらしい。「このコースはグリーンが大きく、傾斜も結構あるので、ピン位置によっては簡単に3パットしてしまいます。それを避けるには、グリーンを3分割して、ピンが立っているエリアにボールを止めることが大切です」という。
パーオンホールでも1ラウンド当たりでも平均パット数が2位の青木がいうのだから間違いないだろう。風の読みが難しいコースで、どこまで狭いエリアにボールを落とせるか、今週は青木のショット力に注目だ。(文・山西英希)
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