サウジマネーをバックに高額賞金を提供、トップ選手を大型マネーで招致し続ける『LIVゴルフ』に対抗すべく、PGAツアーのジェイ・モナハン会長が現地時間22日、「トラベラーズ選手権」(米コネチカット州)の会場で会見。2023年から8大会で総額5400万ドル(約73億円)の大幅賞金アップ、また24年からは1月からシーズン開始とスケジュールの大きな改正を発表した。
前日は選手ミーティングが行われたが、その内容が正式発表された。内容は以下の通り。
・セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズが総額1500万ドル(22年は820万ドル)
ジェネシス招待が同2000万ドル(1200万ドル)
アーノルド・パーマー招待が同2000万ドル(1200万ドル)
ザ・プレーヤーズ選手権が同2500万ドル(2000万ドル)
WGC-デルテクノロジーズ・マッチプレーが同2000万ドル(1200万ドル)
メモリアル・トーナメントが同2000万ドル(1200万ドル)
フェデックス・セントジュード選手権が同2000万ドル
BMW選手権が同2000万ドル
と軒並み2000万ドル(約27億円)大会を実施することになった。これは6月に開幕したLIVゴルフの8大会の個人戦総額と同等で、まさにPGAツアーの逆襲と言える。
この5400万ドルの増額は「大会冠スポンサーや後援企業からの協力、支援によるもの」とモナハン会長が説明を加え、「PGAツアーのトップイベントで賞金を増額することは我々のスポンサー、ツアーの価値を大きく高めるもの」と話した。
またツアーのシーズンスケジュール、ツアーカード保持システムも大きく変わる。
24年からシーズンは1月に開幕。カレンダーイヤーで終了し、現在のように年またぎのシーズンはなくなる。23年からはプレーオフに進めるのは現在の125位から70位となり、フェデックス・セントジュードはトップ70、BMW選手権はトップ50、ツアー選手権は30名となる。
「プレーオフに進んだ70名が翌シーズンの招待試合を含むフルツアーカード(シード権)を獲得する」とモナハン会長。
秋にはトップ選手による3大会のインターナショナル・シリーズも開催。舞台は欧州、アジア、中東で同等の高額賞金、さらにチームイベントも行われ、現在そのフォーマントが検討されている。
またプレーオフ入りを逃した選手は秋のフォールシリーズでトップ50のツアーカード、またインターナショナル・シリーズの出場を目指して戦うことになる。
22日にLIVゴルフはブルックス・ケプカ(米国)の参戦を正式発表。「我々のPGAツアーは極めて健全な戦いで、LIVゴルフはそうではない。昨日の選手ミーティングは100人以上が集まって、みなPGAツアーを支持してくれて素晴らしい熱気だった。フォールシリーズはファンにとっても素晴らしいシーズンになる」と締めくくった。(文・武川玲子=米国在住)
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