49歳でプロ転向し、国内シニアツアーで通算2勝を挙げている田村尚之が、きょう6月24日に58歳になった。今週開幕する「全米シニアオープン」では、“ホリエモン”こと堀江貴文氏からのメッセージで、急遽出場を決意。「レベルが違う」と目標は消極的だが、堀江氏がキャディとなってサポート。夢舞台で活躍が期待される。
広島県出身。3歳から父親の影響でゴルフをはじめ、中学生で「関西ジュニア」を制した。その後は、学業を優先。競技ゴルフを再開したのは社会人になってから。「広島県アマチュアゴルフ選手権」に優勝すると、有給を利用して「日本アマチュアゴルフ選手権」に出場するなど、トップアマとして活躍した。
2000年の「中国アマチュアゴルフ選手権」では谷原秀人の4連覇を阻止し、02、03年は「日本ミッドアマ」を連覇。05、06年は「日本アマ」で2年連続ベスト4に入り、JGAナショナルチームにも選出された。そんなとき、地元広島の先輩でもある倉本昌弘プロと対談。「50歳になったらシニアツアーへ来い。50歳でプロ転向し、シニアで活躍する第一号になれ」と誘いを受けた。
2013年、49歳で受けたプロテストに一発合格を果たすと、翌年の「東建ホームメイトカップ」でプロデビュー。シニアツアーを主戦場に戦い、16年の「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」でプロ初優勝。21年の「ファンケルクラシック」で、プレーオフを制して5年ぶりのツアー通算2勝目を飾った。
独特のスイングは、独学でスイングを磨いてきた証だ。頼りにしたのは物理や数学。ハンドレイトに構えるアドレスも「スクエアなインパクト」を意識してのこと。またクラブがフェースローテーションを抑える方向に進化したことも「たまたま自分の考えている方向と一致した」と、今日の活躍につながっている。
今週開催される「全米シニアオープン」は、コロナやウクライナ問題もあって当初は欠場を予定していたが、堀江氏からの「人生一度きりじゃないですか。もったいないですよ」のメッセージで考えが変わった。「最高峰の世界を死ぬ前に一回見て、死ぬときに行って良かったと思えればいい」。意気込みすぎない、自然体で挑むメジャー。ひょっとすると、と期待せずにはいられない。
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