<全英オープン 2日日◇15日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>
2日目の午後スタートの組では、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)が「66」とスコアを6つ伸ばしてリーダーボードを駆け上がった。決勝ラウンドは3位タイで迎え、首位キャメロン・スミス(オーストラリア)を射程圏内の3打差で追いかける。
4アンダーでスタートしたこの日。ホブランは4番、5番で連続バーディを獲り、7番と10番でもさらにスコアを伸ばす。しかし、後半に入ると11番と13番でボギーを叩き、勢いに陰りが見えたと思われた。
だが、14番でバーディを奪取して息を吹き返すと、次の15番、440ヤードのパー4では圧巻のショットを披露する。ティショットが左に流れてラフに落ち、ピンまで139ヤードが残った。アイアンを握ったホブランが放ったボールは、難しい位置に切られたピンポジションをあざ笑うかのように、その数メートル手前右に落ちる。傾斜に流されるように転がったボールはカップに吸い込まれていった。
聖地を訪れたファンは悲鳴のような歓声を上げ、一方の当人は人差し指を上下させてキャディにチップインイーグルだったことを仕草で知らせた。
だが、ホールアウト後、ホブランはあのセカンドショットが意図したところと違った場所に落ちたことを明かしている。「本当はピンの左側に落としてパー狙いだったんだ」と、いたずら好きの子どものような笑顔を見せた。
「打った瞬間から、ボールは思ったよりも右に飛んでしまっていた。右へ行きすぎじゃないかと心配だったけど、スロープの横側に落ちて、カップに流れ込んでくれた。アンビリーバブルだったよ!」
今季開幕後は好調で、米ツアーの「ワールドワイド・テクノロジー選手権」で優勝を飾り、トップ10にもたびたび食い込んでいたホブラン。だが、中盤以降は低調なパフォーマンスが多くなり、直近出場した「全米オープン」と「ジェネシス・スコットランド・オープン」で予選落ち。さらに言えば、その前に出場した「メモリアル・トーナメント」でも51位タイで、最後にトップ10入りしたのは3月までさかのぼる。
しかし、ゴルフ生誕のこの地で復調の気配を見せている。今大会では「良いボールが打てている」と胸を張った24歳が目指すのは、ノルウェー人として初の全英オープン制覇だ。
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