<AIG女子オープン 事前情報◇2日◇ミュアフィールド(スコットランド)◇6680ヤード・パー72>
今季の海外女子メジャー最終戦の地で、西郷真央が精力的に調整を行っている。開幕戦を含め国内で5勝を挙げ、6月には「全米女子オープン」、「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」の全米2大会で予選突破。2週前の「アムンディ エビアン・チャンピオンシップ」では最終日の追い上げで一時首位に並ぶなど、3位タイでフィニッシュ。好調をキープし、スコットランドの戦いに臨む。
フランスで行われたエビアン後、パリ経由で今回の会場近くの空港に降り立ったが、そこでトラブルが発生。なんと、同行者を含めた全員の荷物8個のうち、西郷のキャディバッグとウェアなどを入れたスーツケースだけが出てこなかった。
「最初はすごく焦りました。クラブが見つかったのは本当によかった。まさか自分が、と」。なんとか近隣空港のロストバゲージ倉庫にキャディバッグは到着。移動日の翌日だったこともあって、痛手はなかったが、いまだいウェアなどを入れていたスーツケースは見つからず。急きょ日本から来る放送局関係者に持ってきてもらったウェアでなんとか間に合った。
そんなアクシデントがありながらも、オフとなった先週はある貴重な経験をした。「オールドコースを回りました」と男子の「全英オープン」会場となったセント・アンドリュースをラウンド。「たまたま枠が空いていて」と現地の一般アマチュアとラウンド。「めちゃくちゃキレイで、めちゃくちゃうれしかったです」。聖地巡礼もすませ、気分も“全英仕様”に仕上がってきた。
聖地が初リンクスで、今週は2度目。いよいよ試合でリンクス攻略を見据える。日曜日から練習ラウンドを行っているが、風向きによっては、ウェッジかフェアウェイウッドかというほど、持つ番手が変わってくる。「長いパー4は気をつけないといけない」と気象条件も見ながら、自然との戦いも必要だ。
「想像つかない」という優勝スコアだが、西郷の目標はただひとつ。「スコアの設定はせずに、一打一打丁寧にやりたい」。国内最強かつ、海外メジャーでも優勝争いを経験。いまだ行方不明のスーツケースに思いを馳せつつ、モヤモヤを吹き飛ばすゴルフでメジャーシーズンを締めくくる。(文・高桑均)
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