<AIG女子オープン 2日目◇5日◇ミュアフィールド(スコットランド)◇6680ヤード・パー71>
「風の中でも振り切れば真っすぐ行く」。2日目を2オーバーとして首位から7位タイに後退した渋野日向子だが、ショットの輝きが戻ってきた。
欧州遠征3戦目。初戦のフランスでは、「コスリ球が多い」と飛距離も出なければ曲がりも大きく、126位タイで予選落ち。2戦目は「振り切る」ことをテーマにしたが、初日こそアンダーパーにまとめながら2日目にボロが出た。そして迎えた思い出の全英。そんな渋野の姿はない。
風の影響を受けるリンクスだが、渋野のショットは風に打ち勝っている。強いアゲンストの中でも260ヤードを越えてバーディ奪取。後半に入っても平均飛距離で水をあけられるジェニファー・カプチョ(米国)をアウトドライブし続け、17番では快音を響かせた。
打ち上げで左ドッグレッグのパー5。渋野が放ったキレイなドローボールはフェアウェイセンターに着弾。薄いフォロー風と乾いて硬くなった地面でランも出たとはいえ、551ヤードの距離ながらフロントエッジまで230ヤード地点まで運んだ。
「何も考えないで振ったほうがいいと気づいた」と振り切る力が戻ってきた渋野。3年前に全英を制したときは、最終日の13番パー4でドライバーを振りちぎり1オンに成功。バーディを奪取し、優勝への呼び水となった。当時は「ドライバーで打たなければ後悔する」と一か八かの作戦に出た。そんな大胆な姿が今の渋野にも重なる。
残り2日間。首位の期待は高まるばかりだが、渋野にとって、いまの課題は気持ちよく振ること。決勝ラウンドでも結果を考えずに振ることをテーマに掲げ、2つめのビッグタイトルを狙って行く。(文・高桑均)
<ゴルフ情報ALBA.Net>