今季、国内男子ツアーで活躍した選手たち10人のスイングをプロコーチの鶴見功樹氏が解説。第7回目は、今季2勝目を挙げたベースボールグリップが特徴の新鋭、時松隆光。個性的な握りの選手として、またパターの名手として知られるが、果たしてドライバーショットはどうなのだろうか。
【連続写真】時松隆光のスイング 彼を支える腰に注目
「正面からの連続写真を見ると、彼は“リバース”を使う選手ですよね。バックスイングでクラブを上げていくときに、明らかに体が左に落ち込んでいきます。目線はクラブヘッドを追いかけるように動いてますね。少し後ろを向いていくので、左肩が下がって落ちやすくなります。かなりトップで体重が左に乗っている選手です」(鶴見)。グリップ同様、スイングも個性的なようだ。
「彼のすごいところは、左の尻がトップの位置から変わらずにスイングしていくこと。腰のキレが速いタイプのスイングです。他の選手と比べると少し腰の開きがはやいかもしれませんが、しっかり下半身から切り返して、手が一番最後についてきています。左腰のキレを上手く使っている選手だと思います。バックスイングでは左に体重が残るので個性的な上げかたですが、切り返してからはシンプルに、一気に腰を切っていって打っている。この腰の使い方は海外の選手に多く見られます。フォロースルーではしっかり腕も伸びてますし、腕のローテーションもできています」(鶴見)。個性的なバックスイングだが、切り返してからはすばやく腰を回し、安定感のあるフェードを打っている。自身の感性をフルに活かしたスイングで、再現性を高めているようだ。
解説・鶴見功樹(つるみこうき)/1966年4月18日生まれ。東京都出身。99年に英国PGAメンバーに。02年に日本人初の英国PGAクォリファイプロフェッショナルを取得。04年より大山志保と師弟関係を結び、06年には賞金女王に育て上げる。今日までに指導した生徒数は10,000人を超え、現在も日本におけるただ一人の英国PGAプロフェッショナル。東京都港区三田でインドアゴルフスクール「鶴見功樹ゴルフアカデミー」を主宰している。
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