<Shinhan Donghae Open 最終日◇11日◇KOMAカントリークラブ(奈良県)◇7065ヤード・パー71>
国内賞金ランキング1位の比嘉一貴が底力を見せた。首位と5打差の5位タイから出た比嘉は7バーディ・1ボギーの「65」をマークしてトータル20アンダー。前日まで首位のティラワット・ケーオシリバンディット(タイ)が「72」とスコアを落としたこともあり、逆転で今季3勝目、ツアー通算5勝目を挙げた。
鮮やかなスタートダッシュだった。「トップは伸ばすだろうと思っていたので、22アンダー以上を目指してスタートしました」。1番パー4で50センチを決めると、2番パー3は6メートル、3番パー5は3打目を30センチにつけて3連続バーディと狙い通りの立ち上がり。
しかし、2組後ろの最終組、首位のケーオシリバンディットが3番パー5でアルバトロスを達成するなど、なかなか差が縮まらない。「足りないと思って攻めたけど、チャンスにつかず苦しい時間でした」。6番でバーディとしたが、中盤以降は伸ばしきれない。それでもスコアを崩すことなく、じっとチャンスをうかがっていた。
「後半に入ってリーダーボードを見ると、首位と差が縮まっていてチャンスがあるなと思って、気を引き締めた。あとはイケイケどんどんです」。ケーオシリバンディットがアルバトロスのあとにダブルボギーをたたくなど、足踏みしているところを見逃さなかった。
1打差で迎えた17番パー5では2オンに成功して2パットのバーディ。310ヤードほどに設定された18番パー4では、グリーン左サイドに池が広がるが果敢に1オンを狙い、右のガードバンカーへ。2打目は7メートルほどオーバーしたが、右に曲がるラインを読み切ってバーディ締め。単独首位に立って大きなガッツポーズを見せた。逆にケーオシリバンディットは上り3ホールで1つ落として失速。見事な逆転劇を完成させた。
日本と韓国、アジアの3ツアー共同主管大会。「各ツアーの代表がこの試合に出ていて、非常にレベルが高かった。日本で開催する以上、勝ちたかったですし、日本ツアー代表という気持ちで戦い優勝することができて非常にうれしいです」と白い歯を見せた。
今季3勝目で獲得賞金は8473万円余り。賞金ランキング2位の桂川有人に2700万円以上の差をつけた。「賞金王は狙っています。少し有利になったと思いますが、後半戦はビッグトーナメントが続くので、そこでも勝てるように気を引き締めてがんばりたい」。身長158センチの“小さな巨人”が、ビッグタイトルに大きく前進した。
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