今回は、ヨネックス N1-MBフォージドアイアン&N1-CBフォージドアイアン
「ゴルフパートナー」で働く、クラブオタクの藤川清幸と凄腕クラフトマン、 山崎康寛が、ゴルファーのクラブ選びをサポートするべく、徹底試打レポート。 どれが自分に合っているのか、悩めるクラブの見極め方を解説。
2016年はクラブ契約フリーながら、年間3勝をあげて賞金王となった池田勇太。新たにバッグに入れたのは、中上級者向けのヨネックス『N1-CB』アイアンだった。軟鉄鍛造キャビティにスリットを設けて、ヘッド内に独自のグラファイト制振材を複合したハイブリッドアイアンだ。発売後、2年近くが経過し、新たに脚光を浴びている。同様のコンセプトを採用したマッスルバック『N1-MB』も上級者に評価の高いモデルだ。
近年では珍しく、自社工場で製造されるヨネックスの軟鉄鍛造アイアン。
独自のグラファイト制振材を採用し、プロの厳しい要求に応える複合アイアンに仕上がっている。
両モデルともバックフェース部に独自のグラファイト制振材を複合。振動を抑えて、打感がよくなる効果に加えて、重量がより周辺に配置できるため、見た目よりもスイートエリアが広く、ボールも上がりやすくなっています(藤川)
プロや上級者も扱いやすい、スッキリとストレートな形状。トップブレードの厚みが異なるので、好みで選ぶのもいいでしょう。ソールは広いもののラウンドしているため抜けがよく、手前から入るミスにも強くなっています(藤川)
カリスマ店長・藤川の視点
見た目は硬派なマッスルバックですが、樹脂系の素材を複合したことで重量が周辺に配置され、やさしく扱えます。
ミスへの許容性が高く、ボールも上がりやすいですが、マッスルらしい操作性は犠牲になっていません。
クラフトマン・山崎の視点
軟鉄鍛造のマッスルバックはそれほど大きく機能が変わらないものですが、このモデルは重心が深くてスイートエリアも広い。それでいて操作性もいい。マッスルバックの常識を変えるアイアンです。打感のよさも感じます。
・ボールを左右に打ち分けて攻めるのが好きな人 ・軟らかく喰いつくような打感を好むゴルファー
・マッスルバックに許容性を求める中上級者
カリスマ店長・藤川の視点
見た目はシャープなアイアンですが、上下や左右の打点のブレに強いのが特徴です。一般的な軟鉄鍛造とは一味違った、樹脂系素材の効果を感じる軟らかな打感です。操作性も高く、振り感もいい、完成度の高いモデルですね。
クラフトマン・山崎の視点
『N1-MB』に比べると少しトゥよりに重みがあり、しっかりとつかまったフェードボールが打ちやすいクラブです。
ボールの手前からヘッドが入ってもソールが滑りやすく、抜けもいいので、払い打ちに適しています。
・スコアメイクにこだわる向上心の高い人 ・シャープな見た目でもやさしさが欲しいゴルファー
・池田勇太使用アイアンを使いたいファン
プロモデルとしては気持ち長めの重心距離と深く低い重心位置は、複合された樹脂系素材の効果でしょう。バランスが取れ、やさしさも期待できる設定です。『N1-MB』のほうが重心深度は深く、設計値的には逆にも思えますが、FP値が大きいので操作性の高さが確保されているといえそうです(藤川)
選び方のココがポイント
比重の軽いグラファイト制振材を複合した効果は大きく、軟らかい打感とやさしさで、どちらも安心感のあるアイアンです。よりストレートネックな『N1-MB』はダウンブローに打ちやすく、球筋も左右に打ち分けやすい。それに比べると『N1-CB』は大きく曲がりにくいので、打ちたい球筋の違いが選択のポイントになるでしょう(藤川)
藤川店長のヘッドスピードはドライバー換算で42m/s。試打結果は5球打った平均値。計測には弾道解析器「GC2」を使用。山崎クラフトマンは、ヘッドスピード45m/s、50m/s相当で試打したインプレッション
正統派のルックスに斬新なアイデアを盛り込んだ高機能な複合アイアンで、ギアマニアも上級者も満足できる仕上がりになっています。ヨネックスの国内自社工場で作られ、純正シャフトは『NSプロ・モーダス3ツアー125』を採用するなど、ヘッド&シャフトともメイド・イン・ジャパンで、国産ならではの品質のよさも好印象です。やさしいマッスルバックを使いたいなら『N1-MB』。スコアメイクを重視したいなら『N1-CB』がお勧めです(藤川)