今回は、グローブライドオノフ黒ドライバー&オノフ赤ドライバー
「ゴルフパートナー」で働く、クラブオタクの藤川清幸と凄腕クラフトマン、 山崎康寛が、ゴルファーのクラブ選びをサポートするべく、徹底試打レポート。 どれが自分に合っているのか、悩めるクラブの見極め方を解説。
2002年に登場して以来、シックなブランドとして根強いファンを持つ『オノフ』。近年は性能面の評価も高く、3月に発売した『オノフ赤』シリーズは、これまでも定評のあった質感の良さや打感、打球音の心地よさなどに加えて、飛距離性能も向上。大手量販店でトップを争う販売数をあげることもあるという。中上級者向けの『オノフ黒』は、ヘッドスピードの速いゴルファーが叩けるクラブに仕上がっている。
独特のスタイリッシュな世界観を持つブランド『オノフ』。ハードヒッター向けの『黒』とアベレージ向けの『赤』があるが、どちらもクラブの実力は折り紙つきだ。
ディープなフォルムの『黒』と投影面積の大きな『赤』で、ヘッド体積の違い以上に、構えたときに大きさを感じます。どちらのモデルもフェース角がスクエアに近く、アドレス時に構えやすく安心感があるのが特徴です(藤川)
最大級のディープフェースを持つ『黒』はヘッド後方にも高さがあり、まさにゲンコツのような重厚感がある。一方、『赤』はヘッド後方が大きく下がり、ボールが上がりやすく、ミスヒットに強い形状になっています(藤川)
カリスマ店長・藤川の視点
ディープフェースの見た目通り、いかにも叩いていけそうです。私のパワーではややドロップしやすく、うまくボールをつかまえないと飛距離ロスにつながりました。上級者向けのモデルで、球筋を打ち分けやすいドライバーです。
クラフトマン・山崎の視点
分厚いインパクトを迎えられそうな丸みのある重厚な印象のヘッドです。出球が強く、ハードヒッターが思い切って叩いて飛ばしていけます。シャフトがしっかりした重みのあるタイプなら、さらに飛ばしていけるでしょう。
・ボールが吹き上がり気味のハードヒッター ・ディープフェースで丸型ヘッドを好む人
・弾道を左右に打ち分けたい中上級者
カリスマ店長・藤川の視点
気持ち高めの弾道で、前に向かって伸びていくような、低スピンのボールが打てます。澄んだ金属の打球音が心地いいです。ヘッドスピードが遅いゴルファーには、キャリーで飛ばせて曲がりにくい点もメリットでしょう。
クラフトマン・山崎の視点
スライサーにもやさしい、つかまりの良いドライバーです。それなのに、フックフェースの度合いが少なく、スッキリとスクエアに構えやすいのが特徴。方向安定性が高く、高弾道でスピンを抑えたボールになります。
・スピン量が多く、飛ばないスライサー ・飛ばしにこだわるシニアゴルファー
・ドライバーを安定させたいアベレージ層
重心高の数値が近いが、実際には超ディープフェースの『黒』のほうが相対的に低重心になり、低スピンになりやすい。『黒』はフェース角がほぼスクエアで左を恐れずに叩けるヘッドだが、純正シャフトがもっと硬めでもいいだろう。同じくフックフェースの度合いが小さい『赤』は、62.5度と大きめのライ角でボールをつかまえる仕様です(藤川)
選び方のココがポイント
ディープフェースとハイバックで、かつてのパーシモンドライバーを彷彿する『黒』。シャローフェースでクラウン部の面積が大きい現代的なフォルムの『赤』。形状の違いそのままに2つのドライバーは、大きく特性が異なる。『黒』を打ちこなすには、ヘッドスピードの速さが必要。スライサーなら迷わず『赤』を選択しよう(藤川)
藤川店長のヘッドスピードはドライバー換算で42m/s。試打結果は5球打った平均値。計測には弾道解析器「GC2」を使用。山崎クラフトマンは、ヘッドスピード45m/sと50m/sで試打したインプレッション
迫力のある強弾道で飛ぶ『黒』だが、その性能を引き出すにはパワーと安定したスイングが求められる。ヘッドスピードが速くても、ボールが左右に散らばるタイプのゴルファーには難しいモデルになるだろう。『赤』はオートマチックに高打ち出し低スピンの飛び弾道が得られる完成度の高いモデルで、店頭での人気が高いのもうなずける。つかまりがよく、ミスヒットにも強いので幅広いゴルファーにマッチしそうです(藤川)