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最終日に意地 市原弘大、亡き恩師に捧げる涙のアンダーパー

＜WGC-ブリヂストン招待 最終日◇5日◇ファイアーストーンCC(7,400ヤード・パー70)＞

ホールアウト後のテレビインタビューで涙が頬を伝った市原弘大。ただ、それは69位タイに終わった悔しさでも最終日にようやくアンダーパーを出せたからでもない、別の理由があった。
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実は開幕前日の夜に、「幼稚園の頃からお世話になっている」という恩師の千葉晃が亡くなった報を受けていた。市原はジュニアゴルフミーティング1期生として千葉の指導を受けてきた。今年、「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」の優勝の報告を行ったときから、千葉の容体はいいとは言いがたかったため、「覚悟はできていた」という。とはいえこのタイミングというのは予想していなかった。

この4日間は「試合中は目の前のことに集中していた」が、「プレー中も思い出すこともありましたね」と頭に浮かぶことも。特にこの日は1サムだったため、「今日みたいに一人だと余計に何か見られている気がしていました」とこれまで3日間以上の気持ちが生まれていた。

そんな最終日にようやくアンダーパーを出して「逆に言えばこういう思いがあったから最後まで諦めなかった。順位的にはいい報告はできないが、これからも頑張りますと報告できます」と意地のアンダーパーに安どした。

これまでアジア、欧州と試合があるところには顔を出してきた市原も、アメリカの試合は高校を卒業してからはじめて。最初こそ戸惑いがあったというが、「トーナメントの雰囲気は最高です。出られるならどんどん出たい」。そんな舞台でようやくアンダーを出せたことには千葉もホッとしているだろう。

アメリカで戦うためのプランも描いている。「（ツアー選手権優勝の）5年のシードがあるので、まずはアジアのシードを獲って、ジョイントトーナメントなどで欧州に出て行くのがいいと考えています。QTからは厳しいので、地道に1つ1つやっていきたい。順を追ってブレずに。軸足はしっかり置いて、出られるものは出ていきたい」。また、アメリカに戻ってくるために、コツコツやっていくと語った市原。その過程を千葉はきっと上から見守っている。（文・秋田義和）
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