<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 初日◇10日◇軽井沢72ゴルフ北コース(6,655ヤード・パー72)>
ツアー4年目の22歳・権藤可恋が6バーディ・2ボギーの「68」をマーク。初日を4アンダー・9位タイの好スタートを切った。
今年の「フジサンケイレディス」でツアー初優勝を飾った永峰咲希や柏原明日架、堀琴音らと同い年の権藤。過去3年間での賞金ランキング最高位は昨年の80位だが、今季は序盤戦から上位に入り、現在は獲得賞金1950万円あまりで30位につけている。しかし、「ニッポンハムレディス」から3試合連続で予選落ちを喫するなど、前半戦に見せた勢いが後半戦では見られなかった。その理由を権藤は次のように語る。
「アース・モンダミンカップで第1回リランキングがあったこともあり、前半戦はいい緊張感の中でプレーできたんです。ところが、賞金ランキングのいい位置にいることで逆にいろいろと考えることが増えてしまって…」
周囲からはもうシード確定だといわれるが、昨年の賞金ランキング50位の獲得賞金額(22,389,466円)を上回るには、あと300万円を上乗せしなければならない。しかし、その300万円という賞金を稼ぐことがどれだけ大変なのか、権藤は十分思い知らされていた。そう考えることで、いつの間にか自分にプレッシャーをかけていたのだ。権藤にしてみれば、今年シード権を獲得することは大きな意義がある。過去3回挑戦したものの合格できなかったプロテストだが、シード選手になれば、日本女子プロゴルフ協会の正会員として認められる。そのチャンスを手にするまであとわずかだからこそ、プレッシャーも大きくなったのだろう。
しかし、先週の「北海道meijiカップ」から考え方を変えてみた。「どうせ緊張するなら、優勝争いをしているつもりで回ろうと思ったんです。その結果、スタートからいい流れをつくろうと考えるようになり、先週は初日、2日目をアンダーパーでラウンドできました。今週も同じ気持ちでスタートしたら、68で回れたんです」と権藤。まさかここまでうまくいくとは思わなかったらしいが、気持ちが楽になり、いいスイングができたのは間違いないという。苦労人が遠回りしながらも、ようやくチャンスをつかみかけているだけに、このまま無事にゴールテープを切ることを祈りたい。(文・山西英希)
<ゴルフ情報ALBA.Net>