<CAT Ladies 事前情報◇15日◇大箱根カントリークラブ(6,704ヤード・パー73)>
7月に行われたプロテストで合格した河本結。19歳のルーキーが、レジェンドの教えを胸に“プロ2戦目”を迎える。
指定練習日となった15日(水)に、18ホールを回りコースの感触を確かめた河本。2日前の13日には今後のプレーに大きく影響するかもしれない助言を、ある人物から受けていた。その人とは中嶋常幸だ。
「パターの練習方法や、ショットなど色々な話を聞きました。ショットについては、『アドレス、テークバックからトップに持っていく動きで8割が決まる』とおっしゃっていて、そういった部分を教わりました」
月曜日に中嶋とともにプライベートラウンドを行う機会を得た河本は、そこで国内ツアー通算48勝を誇る大先輩からアドバイスを受けた。例えばパター練習では、「中嶋さんは『再現性を一番大事にしろ』とおっしゃられていて、練習法を教えてもらいました。これまでは、あまり何も考えずにタッチの練習をする、というようなやり方だったんですけど」と、明らかな違いを感じた。
その一つとして教えてもらったのが、ゴムチューブを使用した練習法。「もともとコーチに、『もっとお尻を使ってパターを打て』という風に言われていたのですが、そのヒントとして、輪っか状のゴムチューブ1本を両太ももにくぐらせ、しっかりと体の外側に筋肉を張って打つ方法を教えてもらいました」。その結果、「これまではあまり力が外に張れずに、腰が反ってしまっていたんですが、しっかりと体を使えるようになりました」など、課題克服に繋がる手ごたえを得たという。
またレジェンドから、こんなうれしい言葉ももらった。「スイングについては『言う事ない』という言葉をいただきました。とても自信になりました」。充実のラウンドを経験し、大箱根カントリークラブに乗り込んだ。
プロテスト直後に迎えた「北海道meijiカップ」はトータル5オーバーで予選落ち。これについて河本は「プロテストでの“脳みその疲れ”が残っていました。ゴルフの組み立てがうまくいきませんでした。スイングのイメージが出てこず、なんとなく球筋だけで打ってしまったのが原因」と話す。これは、「プロテスト期間中はずっとアドレナリンが出ていて、あまり寝られないほどでした。これまでプロになることを目標にして、パフォーマンスを上げることばかりを考えてきました。そのためには頭を使うことが必要。自分に期待しすぎて、ハードルを上げてしまって」と振り返った。
しかし、先週の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」には出場しなかったため、その空きを利用して、「これまでは試合ばかりで夏に海へ行ったことがなかったんですけど、初めて行ってリフレッシュできました!」。今週は心技体が整った状態で試合に向かうことができる。
現在、プロゴルファーと並行して日本体育大学の2年生という顔も持つ河本。「レポートの期限が迫っていて、明日(16日)一生懸命やらないと間に合わないんです」という大学生ならではの“悩み”も打ち明けた。しかしその表情は、沈むどころか明るさすら浮かべている。
二足のわらじを履く生活は大変だが、「女性としての人生を楽しみたいし、ゴルフだけでなく、色々勉強して、視野を広くしたい」という信念は決してブレることがない。またゴルフでの目標も「世界と戦いたい。全米女子オープン優勝を目標にしています」とスケールの大きさを感じさせる。レジェンドからの助言と強い思いを胸に、河本が自らの未来を切り開いていく。
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