<マンシングウェアレディース東海クラシック 2日目◇15日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース(6446ヤード・パー72)>
中国美女姉妹が知多半島で躍動だ! 2アンダー・9位タイからスタートしたセキ・ユウティン(中国)が、9バーディ・1ボギーの「64」とビッグスコアをマーク。コースレコードの「63」まであと1打に迫る活躍で、一気にトータル10アンダー・首位タイに浮上した。
スタートの1番は「この日最初のホールでドキドキしました」とボギー発進だったユウティンだったが、「調子はよかったので、目の前の一打に集中しました」とそこからは、前半5つ、後半4つと怒涛のバーディラッシュ。歓声を浴びるたび、その愛くるしい顔から笑顔がこぼれた。
この日のスコアの要因を聞かれると、「2週間練習を頑張った」というパターを挙げた。最近の悩みのタネとなっていたのがショートパット。この不安を無くすため、猛特訓を重ねた。
その内容は、カップまで1ヤードの位置から5ヤードまでの範囲で、1ヤードずつ距離を伸ばしながら各5球ずつパターを放つというもの。「1球失敗したら、その距離で10球打って、さらに最初からやり直す」という反復練習を続けた。最初の頃は終了までに3時間を要し、今でも2時間以上かかるというが「試合の状態に近づけたい」とあえて極限状態のなかでの練習を自らに課した。そのかいあって、この日はショートからミドルまで次々とパターを沈め、このビッグスコアを作り出した。
さらに、ユウティンを助けたものがある。それが、バッグを担いだ妹・ユウリの存在だ。今大会は、現在高校2年生ながら、今年1月に中国のプロテストに合格した妹とともにラウンド。日本では2回目というタッグの効果については「私が迷った時にラインを読んでもらったり、ラウンド中にお話をしてリラックスできました」と大きな力となっている。そろって美人だが、性格は「逆です(笑)。妹は明るくて、私は静か」という姉妹。その2人が息の合ったコンビネーションで、この日の主役の座をさらった。
中国ツアー賞金女王に輝いた2016年末、日本の最終QTを受験し見事16位で通過。戦いの場を、生まれ故郷でもある日本に移した。しかし、大きな活躍はできず賞金ランク78位でシード獲得には至らなかった。その後のQTも116位と失敗。レギュラーツアーではこの大会が今季2試合目だが、その間はステップ・アップ・ツアー、中国ツアーを中心に腕を磨く日々。5月には中国の「ルコックスポルティフ北京女子オープン」で2連覇を達成した。さらに、トレーニングによって飛距離を220ヤードから240ヤードまで伸ばしたユウティン。「レベルが高い」と話す日本ツアーで最終日最終組を勝ち取った。
今後は、今年の日本のQT通過を照準に絞りながら、米国LPGAのアジアシリーズ3試合などに出場。「中国で通算5勝を挙げたので、その時と同じような気持ちで優勝を狙いたいです。ただ、結果はどうなっても、いい経験になります」と言い、愛くるしい笑みで会見を締めくくった。中国で“スイートハート”と呼ばれる美女ゴルファーとその妹が、日本のファンの心もわしづかみにする。(文・間宮輝憲)
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