<富士通レディース 2日目◇13日◇東急セブンハンドレッドクラブ 西コース(6,675ヤード・パー72)>
成田美寿々が、この日のラウンド最後に訪れた“試練”を乗り越え、トータル4アンダーでフィニッシュ。首位と2打差の6位タイから、今季3勝目がかかる最終日に向かう。
1アンダーからスタートした成田は、後半15番までに4つのバーディを奪うなど一気に優勝圏内に浮上。16番ではボギーを喫したものの、上位のまま最終18番ホール(パー4)を迎えた。
この18番は、グリーン手前に配置されるガードバンカーが多くの選手を苦しめてきた、東急セブンハンドレッドC西Cの“名物ホール”。初日のアベレージは「4.3579」、2日目も「4.3723」でともに難易度1位を誇る、まさに高い壁となって選手の前に立ちはだかる。
今回が6度目の出場で、2012年にはツアー初優勝をここで挙げている成田も、そんなことは十分承知。「絶対にやってはいけないのが、グリーン手前に戻って(バンカーに)落ちてしまうこと。グリーンまでとにかくキャリーさせて4〜5mのパーパットでいい」と考え、ラフからのセカンドショットに臨んだ。しかし、グリーン奥まで行ってもOKという気持ちで、フライヤーも考慮して150ヤードの距離を打ち出したものの、「思ったよりフェースが下から入ってしまって距離がでなかった」と、バンカーの餌食となってしまった。
「恒例行事として、会場入りしたら、あそこで“砂遊び”をして、『ここには絶対に入れないぞ』と誓って本戦に入るのがルーティン」という成田は、落ちていくボールを見つめながら、「あ〜、ついにやってしまった」という心境に。それでも、入った場所に恵まれたこともあり、何とか1打で脱出に成功。その後のパットを沈め、ナイスパーセーブとした。
ダブルボギーなども十分に考えられる状況で“大ケガ”をすることなく、上位に名前を残した成田。「久しぶりの優勝争い。明日楽しめる位置に神様が置いてくれましたね」と、この状況にはもちろん笑顔を浮かべる。
現在賞金ランク1位のアン・ソンジュ(韓国)や、大会2勝を誇るテレサ・ルー(台湾)ら強敵が上位につけるが、「日に日に調子が上がっているので、この流れを切らずに明日1日プレーできたらと思います」と意気込みは十分。試練を乗り越えた成田が、その照準を逆転優勝に合わせる。(文・間宮輝憲)
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