<樋口久子 三菱電機レディス 初日◇26日◇武蔵丘ゴルフコース・埼玉県(6585ヤード・パー72)>
3バーディ・3ボギーの「72」。数字だけ見れば取り立てて注目する結果ではない。しかし、イ・ボミ(韓国)にとっては、1オーバーで終わるのとイーブンパーで終わるのとでは大きな違いがあった。
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この日、前半はティショットで確実にフェアウェイをとらえていたボミ。2番パー4、7番パー4でバーディを奪い、2アンダーと久々に好スタートを切った、8番パー3では、ティショットをグリーン手前の深いバンカーに入れたが、そこからパーセーブする粘りも見せた。「これはいけるか!」とだれもが思った矢先だった。9番から11番までなんと3連続ボギーを叩く。
「全部左へのミスです。構えたときにちょっと苦手に感じるホールを迎えると、どうしてもリズムとタイミングが早くなるんですよね。手で調整しようとするから左に曲がってしまうんです」
とボミ。しかし、ショットが曲がることを恐れたままでは、今までと何も変わらない。新たな一歩を踏み出すには、その壁を乗り越える必要がある。
「たとえ80台を叩いたっていい。やるしかないんだと自分にいい聞かせ、体を使ったスイングを後半は心がけました」。
その結果。再びドライバーショットはフェアウェイをとらえ始め、ついに16番パー5ではこの日3つ目のバーディを奪ってみせた。これまで調子が悪い時は、ボギーが先行すると、そのままズルズルとスコアを落とす傾向が強かった。今回はまさにその流れだったが、崩れることなく、逆に盛り返したという意味ではこのイーブンパーという成績は十分だろう。
この試合も大勢のギャラリーを引き連れていたが、その声援に応えられるゴルフが少しずつできてきたボミ。とりあえずは、暗くて長いトンネルの出口は見えてきた。(文・山西英希)
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