<マイナビABCチャンピオンシップ 2日目◇26日◇ABCゴルフ倶楽部・兵庫県(7217ヤード・パー72)>
ここいらで“ボス”の威厳を見せつける!
【写真】チームを率いるボスは背中で語る
この日6バーディ・3ボギーと3つスコアを伸ばし、6位タイに順位を上げた2014年賞金王の小田孔明。現在は秋吉翔太、出水田大二郎らが在籍する“チーム孔明”のトップとして、若手選手にアドバイスや自身の経験などを伝える立場にもなっているが、そのベテランが今大会での奮起を誓った。
スタートの10番でボギーを喫しながらも、前半をパープレーでしのいだ小田。すると「ドライバーがだいぶよくなった」という後半に3つスコアを伸ばした。最終9番のティショットは、ティフトン芝が多めに敷き詰められたラフにイン。しかし、ここで深く沈んだボールを「マン振りで出した。肩がいかれるかと思った」と気合でグリーンまで運びパーセーブするなど、“鬼気迫る”ラウンドで優勝争いに名乗りを挙げた。
ここまで力が入るのには、最初に述べたチーム孔明での現在の“扱い”に理由があるようだ…。今季初勝利を含む2勝の秋吉と、こちらも初優勝を挙げた出水田ら、自らの名が冠された軍団は、現在ツアーを席巻する一大勢力になっている。最近ではメンバーと夕食をともにした際などに、「孔明さん、日本シリーズ(JTカップ)で待ってますから。早く来てくださいね」と、“上から目線”で言われているのだとか。
今季のツアー優勝者や、賞金ランク上位20名などをクリアした30名の精鋭のみが出場できるツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。その出場を急かされているのが、現在の“総大将”の立場なのだ。
「あいつら、なめやがって(笑)。だからボスが頑張らないといけない」と話した小田は、賞金ランクでいうと現在、約1329万円の55位。「ここから(1試合)500万円ペースで稼ぎます」と、強い意気込みを持ってシーズン終盤戦を戦っている。そして、今大会優勝ならば、もちろん文句なしで出場権獲得となる。
賞金王に輝いた14年以降、ツアー優勝から見放されている眠れる獅子が目を覚ましたか? 気のおけない後輩たちからの“ゲキ”に、ツアー8勝の実力者が応える。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>