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母国で米2勝目 畑岡奈紗が抜きん出る3つの理由【辻にぃ見聞】

1年に1度の日米共同大会「TOTOジャパンクラシック」は畑岡奈紗の4打差逆転勝利で幕を閉じた。首位を走っていたミンジー・リー(オーストラリア)がまさかの大乱調で、一転大混戦となった戦いを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が掘り下げる。
【スイング連続写真】畑岡奈紗の“高い球”を生み出す右足の蹴り
■まさかの最終日 安定感抜群のミンジー・リーはどこが狂ったか
2日目を終えて2位以下に3打差をつけて首位に立ったのは世界ランク5位のミンジー。今大会が始まるまでの今季の平均ストロークは「69.64」のツアー3位で、パーオン率も3位。安定感抜群の選手が前半だけで7つ落とすまさかの展開に、優勝した畑岡も「ミンジーが伸ばしてくる展開になると思っていた」と驚いていた。
間近でプレーを観ていた辻村氏も「ミンジーさんのスイングはアドレスからフィニッシュまでどこを見てもクセが無いスイング。まさに“教科書通り”です。フェースの使い方がとても上手い。体がねじれないから、クラブのヘッドがねじれずボールに対して真っ直ぐコンタクトできるのが強みです。体幹が強くて体の回転がスムーズだから球も飛ぶ」と賛辞を惜しまない。ただ、その“真っ直ぐ”の中で縦の距離感の狂いが起こった。
「2番ではピン手前13m、4番では逆にグリーンオーバー。そして5番パー3でもピンまで10歩ほどショート。明らかに距離が合わなくなっていました。原因はテンポが速くなっていたことです。後半に見たときは、自分を取り戻して2、3テンポは序盤と比べてゆっくりになっていましたから。世界ランク5位でも、優勝争いの重圧でここまで変わることがあるのかと思いました」(辻村氏)
■畑岡奈紗は世界の頂点を目指す攻め方 日本の戦い方では米制覇は夢のまた夢
予期せぬ展開にリーダーボードは団子状態。そこを抜け出したのが世界ランク日本勢最上位の畑岡奈紗だった。前半だけで4つのバーディを重ねて早々に首位に立つと、後半連続ボギーを叩く場面もあったが、終わってみれば2打差をつけた盤石の勝利だった。
「アメリカツアーの選手は、みんな最終日の難しいピン位置でもバーディを狙ってピンハイにつけて攻めてきていました。手前で安全に、という選手はほとんどいない。もちろん畑岡さんもそうでした。特に彼女の強みは、多くの選手が手こずるホールでバーディを獲れること。それは攻める気持ちと攻められる能力、そしてリスクを顧みない覚悟があるからです。だから最終日でも4つ伸ばせました」(辻村氏)
まずは攻める気持ちについて解説を。辻村氏は「畑岡さんにあって、日本勢にないものはアグレッシブさ」と断言する。「これだけの選手たちに混じってみてみると、日本ツアーで戦っている選手は、どこか日本のツアーで満足している人が多いように見受けられました。その中で感じるのは、畑岡さんはゴルフを始めたときから、世界で戦うことを見ていたということ。ボギーは打たないからOK、ではなくてバーディを獲らなきゃだめ。姿勢そもそものレベルが違う。攻めるゴルフがしたかった、というのはゴルフを始めたときからあったものでしょう。そう考えたときに必要なものはなにか。高い球、ビッグキャリー、パッティングの技術…。目指すところの違いがゴルフに現れています」。それが顕著に出た最終日だった。
攻撃的な気持ちを支えているのが能力面。「あれだけの技術があればマネジメントがややこしくない。ランの少ない球を打てるからピンをデッドに攻めていける。飛ばない人ほどマネジメントが難しいのがゴルフですから。米ツアーの最終日に多い奥のピンに対して、ランが多い選手は手前に乗せてころがしていかなければなりませんが、畑岡さんは落ちてから動かないから、その距離を打てばいいとシンプルな判断ができる」。攻める気持ちと技術が相乗効果を生み出している。
パワーと瞬発力。それが畑岡の高い球を生み出しているが、辻村氏が技術的な部分で注目したのが右足の動き。「ボールを高く上げることに必要なことは、腹筋、背筋という体幹が球よりも先に加速しなければありません。そうして高いヘッドスピードを出すと共に、その上でインパクト直後に、クラブヘッドをビュンと上に跳ね上げるような動きが求められる。当然ボールへはダウンブローで入っているのですが、当たった後に跳ね上げるという感じですね。畑岡さんは脚の蹴りをかなり使うタイプで、インパクト直後に右足の母趾球で地面を蹴るときにヘッドを跳ね上げるから、高くて強い球が打てるんです」。
そういった畑岡の“いい部分”は継続してある中で、去年までと「一番変わった」と感じたのは雰囲気だった。「アメリカツアーに行ったときはいわゆる“お客さん”だったのが、ツアーのメンバーという立場となり、今ではツアーの中でもトップレベルとなっていると感じました。彼女の振る舞いを見ていても、ツアー選手、関係者の誰もが彼女を認めている。だから上位にきても不思議がらない」。
それがどういうところに生きているかといえば、空気を制圧できるところだ。「畑岡さんは自分の世界に場を飲み込める。日本勢はまだ雰囲気に飲み込まれていた。そこも違いでしょう」。「日本女子オープン」を制したユ・ソヨン(韓国)にして「最もタフな相手」と言わせるほどの畑岡。これでツアー複数回優勝。存在感は増すばかりだ。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、比嘉真美子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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