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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】米ツアーで戦うために必要なこと

畑岡奈紗が、「TOTOジャパンクラシック」で鮮やかな米ツアー2勝目を飾り、より強くなった姿を日本のファンに見せつけた。同日朝(米国時間3日)、山口すず夏が、米女子ツアーの来季予選会、Qシリーズ(QTにあたる)を36位タイでフィニッシュ。45位タイまでに与えられる来季の出場資格を手にした。
日本選手の前に立ちはだかる海外トップ選手達…強そう<TOTOジャパンクラシック フォトギャラリー> 
昨年、宮里藍が現役を引退し、宮里美香が主戦場を日本に移すため日本のQTを受験中。そして野村敏京は故障で戦線を離脱している。上田桃子、有村智恵はすでに日本ツアーに戻ってきており、来年は、主に4人がプレーすることになる。現在、賞金ランキング5位の畑岡、賞金ランキング61位の上原彩子、67位の横峯さくら、そして山口だ。
その活躍を見守る意味も含めて、あらためて米ツアーに乗り込んで行って戦える選手の条件を考えてみたい。もちろん、技術的に通用するというのは大前提だ。それがなければQシリーズ突破や、TOTOジャパン優勝などで出場権を確保することはできないからだ。
重要になるのは、(1)自分をしっかりと持っていること(2)環境への順応力(3)忍耐力、の3つだろう。ゴルフは、スポーツの中でも自分との戦いの部分が強い。それがわかっていながら、どうしてもライバルたちを気にしたり、世間の評判を気にしたりしてしまうのが人情というものだ。日本から米国へとフィールドを変えたとき、必ずぶち当たるのが「もっと飛距離が欲しい」という“欲”との戦いだ。外国人選手との肉体的、身体能力的な差がわかっていても、試合で相手の飛距離を目の当たりにしたとき、欲は少しずつたまっていく。飛距離を求めるのではなく『自分のゴルフを貫く』ことが大切だと痛いほど知っているはずだが、その欲に徐々に負けてしまい、スイング改造を試みたり、大振りになってしまう落とし穴。これを回避するには、自分をしっかりと持ち続ける以外に方法はないからだ。
母国ではない場所で“仕事”をするのだから、(2)については誰もが覚悟して臨んでいる。それなのに、なかなかうまくいかない。その原因を探ると、やはり心のどこかで「日本とは違う」「日本にいるときと同じような状況にいたい」と思ってしまうことにある。
例えば、英語ができないから通訳を同伴し、運転手も兼ねたマネージャーや、トレーナーなどを連れて“チーム”で試合に臨む。このこと自体は決して悪くない。だが、広大な国土を持つ米国だけでなく、アジアでも試合がある米ツアーでは、日本のように簡単に家に帰ることはできない。長期、遠征しっぱなしになるのも当たり前のため、チームで動くとプライベートがほとんどない状態になる。つまり、仕事でいい争いをしても、夜も一緒。移動も一緒。そんなことが、何週間も続いてしまう。
悪天候などのときには、日本と違って、できる限り予定のホール数を行うために、米ツアーは最大限の努力をする。サスペンデッドが何度もあることなど当たり前。月曜日までずれ込むことも、珍しくはない。これにイライラしていては、まったく自分を保てない。
飛行機で荷物がどこかへ行ってしまうケースも少なくないが、クラブが届かないなら届かないなりに対応する。日本にいるときのように契約メーカーがすぐに対応してくれないのは当たり前で、それでもあわてず、何とか対応しようとすることが必要になる。
食事も食べたいものが食べられるとは限らない。キッチン付きのホテルがどこにでもあるから、自分なり、同伴の家族なりが料理をすれば、自炊はしやすい。それでも、思うような食材が手に入らないこともあるかもしれない。外食ならなおさらだ。どんなものでも楽しんで食べられる姿勢があれば、ストレスは最低限で抑えられる。
安全面でも日本のようなことはない。夜、歩いて出歩くなどもってのほかだし、ホテルの部屋にいるときは、必ずデッドボルト(チェーン)をするのは当たり前。クラブも含めた貴重品は部屋に置きっぱなしにしない。車の中も同様だ。レストランで席を立つときは、貴重品も持つ。そんな習慣もつける。
いずれも、思うようにいかなくて当たり前だと思うこと。これだけで気持ちはずいぶん楽になり、対応を考えることができる。「なんでうまくいかないの?」と思ってしまうマイナスからのスタートとは大違いだ。
(3)の忍耐は、説明するまでもないだろう。日常生活が思うようにいかず、結果がなかなか出なくても、そこで戦い続けること。それしかない。
いずれも、女子だけでなく男子についても同じことがいえるが、一つだけ大きく違うのが、ツアーの規模と華やかさだ。米女子ツアーは、フィールドの厚さとレベルこそ世界一だが、ギャラリーの数や華やかさでは、現在の日本女子ツアーにかなわない。ツアーも選手も、スポンサーがしっかりとついていて、人気もある程度定着した日本ツアーを当たり前に見ていると、一部のメジャーなどを除くと、米女子ツアーは非常に寂しく感じられるはずだ。
男子より女子ツアーのほうが人気が上、というのは、日本の特殊な事情だ。だが、それとは別に、米女子ツアー独自の事情もある。それを受け入れ「自分はここでやっていくんだ」という覚悟をどれだけ持つことができるか。それこそが、しっかりと米ツアーに根を下ろして戦い続けるための条件となる。
実は、日本でプレーしていても、同じことがいえるのだが、それ以上に自分をしっかりと持ち、柔軟に粘り強くゴルフをやり続けること。来年、新たにツアーに挑む山口はもちろん、この先も、大きく羽ばたこうとする選手たちが、そんな気持ちを持って臨んでくれれば、より楽しみになるはずだ。(文・小川淳子)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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