<ダンロップフェニックストーナメント 3日目◇17日◇フェニックスカントリークラブ・宮崎県(7027ヤード・パー71)>
木の後ろからの第3打、72ヤードを見事30センチにつけてバーディフィニッシュ。「パーを獲るなら木の下からだと思いましたが、バーディを獲るなら上からだと思い、トライしたらうまくいきました」と振り返った堀川未来夢。トータル12アンダーは、単独トップで最終日を迎える。
【写真】今平周吾がく〜る〜!
2015年からツアーに参戦。同年の「ブリヂストンオープン」でも最終日を首位でスタートしながら逆転を許し2位タイに甘んじた。その後も優勝のチャンスを生かせず、未勝利のまま。歴史ある大会で、栄冠をつかみ取るまたとないチャンスが訪れた。
「3日目にあがってしまってスコアを落とすケースが今までありましたが、今日はしっかり落ち着いてできました」と成長を実感。7バーディにボギーはわずかに1つ。満足のラウンドに笑みを浮かべながら、さらに気を引き締めた。
気を引き締める理由は1つ。同学年の今平周吾もスコアを伸ばしたからだ。現在、賞金ランキング1位を快走する今平もこの日は6バーディでトータル10アンダーに浮上。最終組の一角を射止めた。「3日目が始まる前に『今平が来るだろう』と思っていたら、ハーフターンのときにもう2位でした(笑)」と堀川の予想以上に早い段階から今平が後を追ってきた。
堀川にとって今平は、「僕らの代では別格だった」。実はこんなエピソードがある。3年前の9月。ツアー外今日のマッチプレーで対戦した際のこと。スタート直後の2番パー5で今平が4メートルのイーグルチャンス。対する堀川はバンカーからの3打目を1.5メートルに寄せたところで今平から出た言葉が「OK」だった。当然のように今平はイーグル。普通に考えれば入れごろ外しごろの距離にOKは出さないものだが、「ハートがめちゃくちゃ強い」という今平に対して、「これは負けるな」と思ったという。
以降、今平はツアー2勝。「本当にオールマイティな選手です。とにかくハートが強い。今1番倒したい相手です」と笑うが、対する今平は至って冷静だ。堀川との優勝争いについて聞かれても、「はじめてですね。あまり気にならないです」と、にやりと笑う。「体の調子が良ければ、いつも通りにできると思います」と、賞金王を盤石なものにするため、世界ランキングを上げるための戦いにも不安はない。
苦手意識のある堀川と、気にしていない今平。ここにぶっ飛びオージーのブレンダン・ジョーンズ(オーストラリア)も加わり、あすは最終日を熱く盛り上げそうだ。(文・高桑均)
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