<ダンロップフェニックストーナメント 最終日◇18日◇フェニックスカントリークラブ・宮崎県(7027ヤード・パー71)>
「ダンロップフェニックス」最終日の朝に発表された松山英樹と進藤大典キャディの専属契約終了。今後もタッグを組むことはあるというが、ひとまずの区切りに、ファイナルラウンドを終えた2人が心境を語った。
【写真】ホールアウト後に抱き合う松山英樹と進藤キャディ
「プロになる前から担いでもらっていたので、自分も思うことがありますし、大典さんも思うことがあったと思う。そこで意見の食い違いとかあった中で、最後この試合は成績がこんなに悪いにもかかわらず、そんなにギスギスせずにできたので。これからも来年、何試合か担いでもらう予定ですけど、次に向けてすごくいい試合になったんじゃないかと思います」(松山)
2014年の「ザ・メモリアルトーナメント」で米ツアー初優勝を飾り、その後も「ウェイスト・マネジメント・フェニックスオープン」で2連覇。松山の傍らには進藤キャディの姿があった。今年に入ってからは、タッグを組む回数が減り、スポットキャディで戦う姿も見られていたが、正式な発表を受けて進藤キャディは思い出を振り返った。
「尊敬し合える仲ですし、ただ、どうしてもうまくいかないときもあったし、タイミングというか。あとはやっぱり、自分自身も英樹の力になりきれていなかったと感じる部分もあった。そこで葛藤というか、自分じゃないほうがいいのではないかなと感じることが多くなってきて、そういうのも理由の1つですかね」と、苦難を乗り越えての決断だったことを明かした。
今年は特に苦しい1年だったと振り返る進藤キャディ。「うまくいかないと、こんなにもうまくいかないのかなと考えさせられました。ただ、紙一重のところで、すぐに逆の方向に転ぶと思う。英樹の姿勢というか努力は変わっていないので、走っていれば前には進むと思います」と、今後の活躍を切望している。
「僕じゃなかったら、もっと勝てたんじゃないかと思います。英樹は義理堅いというか、義理人情に厚い男で、こんな僕を6年間も使ってくれて感謝しかなくて、逆だったら2年くらいでクビにしているんじゃないかな(笑)。成長させてくれることしかなくて、もっと僕も力になれたんじゃないかと思います」と冗談まじりに話す中に、2人の6年間の信頼感や苦悩が詰まっていた。
進藤キャディは今後、スポットで松山のバッグを担ぐことはあるというが、「それ以外は考えます。いろいろ、日本で何かしたいことをゆっくりと考えます」と、松山の来季スケジュール決定までは、バッグを置くことになる。“松山のエースキャディ”という肩書きを背負ってきた1人の名キャディのキャリアが転機を迎えている。(文・高桑均)
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